遺言書が無効になったら意味がない(相続対策大百科:vol.23)
熊谷市のファイナンシャルプランナー阿久津和宏です。
相続財産の分け方で、揉めたり、スムーズに流れなくなった場合、
「法的に有効な遺言書」
があるとその内容が最も尊重されます。
遺言書の中身は
こういう方は必ずあったほうがいいですよ、
といった言葉が色んな所にかかれていますが、
これは全員あった方がいいに決まっています。
相続で揉める揉めないの前に、
なくなった方が残された方に残す意思表示ですから。
遺言書って?そもそも・・・
遺言書は、遺言者=被相続人(=亡くなった人)
が亡くなった後に、法律関係を定める意思表示で、
TVやドラマなどで聞いたりする「遺書」とは
まったく違うものです。
ちなみに遺書というのは、
亡くなる前提(亡くなると決まっていて)でかくもので、私的なメッセージと言った意味合いですが
遺言書は、
亡くなる前提であるなしにかかわらず、
自分の財産の配分や処分や家族への思いがあります。
その違いです。
遺言書に書く項目とは?
以下の3つとなります。イメージすらできそうもない言葉には説明をいれております。
わからない場合やわかりにくい場合は、ご連絡ください。
①身分に関する事項(認知・未成年後見人の指定など)
※認知・・・子供と血縁関係があると認めること
※未成年後見人・・・遺言者に未成年のお子さんがいらっしゃる場合で他に親権者がいない場合、遺言者が亡くなることで、未成年のお子さんの親権者がいなくなってしまいます。この場合、最後の親権者である遺言者は、遺言によって未成年者の後見人(未成年後見人)を指定することができます。
②相続に関する事項(推定相続人の廃除、相続分や遺産分割方法、遺言執行者の指定など
※推定相続人の廃除・・・被相続人対して虐待,重大な侮辱その他著しい非行をした場合,被相続人の意思に基づいて,その推定相続人から相続資格を奪うという制度です。(遺留分を請求する権利も剥奪できる項目です)
※遺言執行者・・・遺言を執行する権限を持っている人のことをいいます。なお、遺言執行者は相続人の代理人とみなされ
③財産の処分に関する事項(遺贈、信託の設定など)
遺言は、遺書と違って亡くなる前提ではありませんので、
これらのことは15歳以上でしたらいつでも作成することができるルールになっています。
まだお若い方でも配分のこともありますが、
自己財産の現状分析のつもりでまとめておいても損はないのではないかと思います。
遺言書は3種類あります。
コラムでも書いていますが、遺言書は3種類あります。
自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があるのですが、
何のことやらという感じではないでしょうか?
大切なことは、
法的に有効な遺言書でなければならない
ということで、どの種類を選んでも、問題ありません。
よく、ドラマなどで、
タンスから遺言書が出てきた・・・
アレはおそらく、「自筆証書遺言」です。
そして、
弁護士さんから連絡があって、遺言書があることがわかった・・・
など、専門家がつくるのが、
あれはおそらく「公正証書遺言」です。
公正証書遺言は、一般的に
専門家が作成するため、法的に有効なものを確実に作れますが、
時間がない・緊急に変更したい等の場合は、
「自筆証書遺言」になることもあります。
表にまとめておりますので、ご確認ください。
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遺言書の付言
「付言」といって、なんとなく付け足したかんじかな?
と思われたかもしれませんが、まさに、「メッセージ」のことを言います。
どんなメッセージか?といいますと、
自分の思いや残された家族への感謝の言葉、願いなど。
コレ自体は法的な拘束力はありませんが、
被相続人に気持ちを伝える事ができます。
相続人同士が、相続において対立することが減るとも言われており、
貰った側もすごくうれしいと思います。
「え、こんなこと思ってたんだ」
「こんな風に思ってくれていてありがとう」
こんなふうになるのではないでしょうか?
ぜひ、参考にしてくだされれば、と思います。
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