「S先生!! 言われたとおりに節税したのに、お金が減ってるよぉ!! なんで500万円以上も減ってるんだよぉ!」
大きな声で怒鳴りながら、A社長が真っ赤な顔をして税理士事務所に入ってきた。
この社長は、税理士に節税のコンサルティングを依頼してきたのだが、お金が減ってしまっている。
お金を増やすために、税理士にわざわざ節税を依頼したのに・・・。
これでは、次の事業投資ができない。
節税してお金を増やすことが目的だったのに、逆に、節税のためにお金が減っているのである。
これでは、なんのための税理士か分からない・・・。
その会社の節税を担当していた私の先輩税理士は、一生懸命に節税内容の説明をしているが、A社長は治まる気配も無い。
結局、先輩税理士が考えた節税の方法に納得がいかないままに帰ってしまった。
「やばい!このままでは節税トラブルにより税理士の顧問契約が切られてしまう」
「そうなったら、先輩が所長に怒られてしまう・・・」
私も人の子である。
先輩も、節税に納得できていない社長もかわいそうになった。
そこで、先輩税理士には黙って、その社長の後を追いかけて節税に関する説明をした。
その節税の説明とは?
私:「社長、節税の方法には4種類あるのをご存知ですか?」
A社長:「何だと!!そんなの知らねえよ!」
まずい、まだキレている。
私は続けて節税の説明をした。
私:「実は、節税には、お金の出て行く節税とお金の出ていかない節税があるんですよ。」
A社長:「えっ!そうなの??」
私:「そうなんです。でも、その節税の使い分けを知らないで、税理士の言うままに申告をしている会社ってたくさんあるんです。その節税をきちんと使い分ければ、お金の貯まる節税ができるんです。ただし、私が節税に関してご説明したことは先輩の顔があるので、秘密にしといて下さいね。先輩も税理士なので・・・」
実は、節税方法を4種類に分類することで、節税の使い分けができるのだ。
そして、節税をうまく使い分ければ、お金が貯まるんです。
そして、10日後・・・、
A社長は、こっそり私の携帯に電話をくれました。
結果は言うまでもありません。
その後、A社長が節税の内容に納得しないことはありませんでした。
先輩も税理士として、怒られることはなくなりました。
正直に告白いたします。
実は、節税のほとんどは単純な考え方を基に成り立っています。
だから、節税は税理士のような専門知識の無い方でも本当は簡単にできるものも多いのです。