こんにちは、
ファイナンシャル・アドバイザーの阿久津和宏です。
動画でご覧に成りたい方は下記より
INDEX
はじめに
ちょっと待った!法人成りを検討している個人事業主はこちら。
というタイトルでお伝えしていくのですが、
1人事業主や小規模事業主を対象にお話しています。
よく
「どうして法人成りしたのですか?」という質問をすると
なんか「税制的に得だと言われた、思った」という答えが圧倒的に多いです。では、
- 法人成りすると本当に税制的に有利なのか?
- 個人事業主のままではダメなのか?
- 法人成りのメリット・デメリットとは?
などを解説していこうと思います。
詳しくは、この記事の一番下に紹介している小冊子に書いてあるのでその内容とかぶらないようにお話していこうと思います。
ちなみに、最初にこわっておきますが、それぞれ多くの環境に囲まれていますし、業種等によっても違うため、一概に言えるものではありません、ということだけ最初にお話しておきたいと思います。
それでは、スタートしたいと思います。
この記事内での法人成りの定義
法人成り、という言葉はよく聞くと思います。単純に個人事業で行っているものを法人で行うようにすることでしょ?と思われると思いますが、
その通りです。
法人成りするかどうか?というのは、いま行う事業をそのまま法人で行うかどうかということです。何を言っているのか分からないと思いますが、ここではそういうものだと思っておいて下さい。あとあと効いてきます。
国が認めた年間400万円分の経費!?(個人事業主)
法人でも十分享受できるメリットではありますが、あえて、最初に個人事業主が享受できる400万円分の経費の話をしたいと思います。率直に申し上げると、以下のことになります。
- 経営セーフティ共済
- 小規模企業共済
- 個人型確定拠出年金
です。これはすべて「所得控除」(小規模企業共済等掛金控除)つまり、税金の計算の外に出してくれます。したがって、経費です。
ここでいいたいのは、変な買い物しないで、これらに拠出すると将来ちゃんと手元に戻すことができる制度、です。(細かい話はここでは省略します)
「確定申告書」おいては、これらの3つのものは、「小規模企業共済等掛金控除」という項目に入る「所得控除」です
では、どれだけの金額を所得控除に経費に計上できるのか?マックスの金額が決まっていますので、そちらをご紹介しておきます。
セーフティ共済 | 小規模企業共済 | 個人型確定拠出年金 | 合計 | |
月々最高拠出金額 | 200,000円 | 70,000円 | 68,000円 | 33.8万円 |
年間最高拠出金額 | 2,400,000円 | 840,000円 | 816,000円 | 405.6万円 |
実に、4,056,000円まで経費を作ることができます。
『この金額×税率』
が節税できるということになるんですね。ということはです。これらはどれものちのち退職所得で受け取ったりできるもので(詳しくは割愛しますが)実質0円で経費だけ作れるということになるものです。
経営セーフティ共済には上限が800万円であるとか、数年での解約では払った金額が全て帰ってくるわけではないとか、確定拠出年金は60歳まで受け取ることができない、などのデメリットもありますが、長い目で見てお得な制度と言えます。
しかしです。自営業者の負担感を増殖させているのは、もしかすると税金というよりも「国民健康保険や国民年金」ではないでしょうか?
この話はこの記事の最後にお話します。
では、これまでの話は「個人事業主のメリット」ですが、「法人成りのデメリット」を解説したいと思います。
法人成りのデメリット
前にお話したように、個人で事業を行っているものを法人で実施する、というときのデメリットの話をしていきます。記事内でも解説しますが、最初に付け加えると、別の方法を使えばこのデメリットはメリットにもなります。つまり、いわゆる一般的な法人成りのケースということでご理解下さい。
法人成りして出てくるランニングコスト
- 利益にかかわらず「法人住民税」約7万円が毎年かかる
- 一般的に「税理士報酬」等も必要になる
- 社会保険料に強制加入となるため、これもランニングコスト
- 個人の収入(役員報酬)税金に関する融通性は減る
細かく知る必要はこの時点ではありませんが、仮に役員報酬を50万円とした場合の上記コストの目安を表にまとめました。
法人負担 | 個人負担 | 法人+個人合計 | |
法人住民税 | 70,000円 | 70,000円 | |
税理士報酬 | 約30~50万円 | 約30~50万円 | |
社会保険料 | 約90万円 | 約90万円 | 約180万円 |
所得税・住民税 | 約50万円 | 約50万円 | |
法人税 | 0円(とする) | ||
合計(少なく見積もり) | 127万円 | 140万円 | 267万円 |
※法人と個人の会計は別ですが、小規模事業主にとってはお財布は別れているけど一緒、というスタイルが多いと思いますので、このように記載しています。
いかがですか?これはあくまで目安ですが、これは個人事業として営んている状態と比べて
所得税・住民税・事業税・国民健康保険料・国民年金保険料と比べて多いですか?少ないですか?というお話です。
ではなぜこういう事が起きるのか?といえば、答えは以下のとおりです
法人税は軽減傾向です。
下記グラフは財務省のHPに掲載されているものです。見ていただければおわかりのとおり、
年々税率は下降傾向となっています。そのため、法人化したほうが得ですよ、そんな流れになっていたり、アドバイスをする方も多いことは当然です。
続いて個人の部門を見ていきましょう
個人の税金の推移は下記のとおりです。
このグラフは、ダイヤモンド・オンラインの記事の中にあったグラフで、「深田晶恵さん」という方が作成したものだそうです。すごくわかりやすいので、こちらをご覧いただくと、
給与所得700万円の方の手取りを2002年~2017年まで見ていくと、この様になるというグラフですが、(実際のものではありません)
2002年のときの手取りは587万円だったのに対して、2017年には537万円と約50万円も減っているということです。
つまり何がいいたいかというと、
社会保険料の増加
と
所得税・住民税の実質的増税
ということが言える、ということです。
あまりこういう事を頭に入れずに、ただただ法人成りすると、所得税・住民税並びに社会保険料の洗礼が待っているということになるわけですね。
※社会保険に関しては、加入していない方も大勢いるのは実態ですが、法人は1人会社であっても、強制加入事業者になりますので、ご注意下さい。
どうしても法人成りを阻止したんだね、そう思われた方、ごめんなさい。そういうわけでもないんです。
個人事業主においては、『法人のメリット』を享受することができないからです。
例えば「社宅制度」これは個人事業主にはありません。
また、「旅費規定」これも導入することで、「個人の手取りアップ」と「消費税の削減」につながることがあります。
というように、
個人事業主では享受できないメリットが「法人」にはうようよあります。
しかしです。
普通に「法人成り」したのでは、最初の「法人成りのデメリット」を真正面から受け、
「法人税」「所得税・住民税」「社会保険料」の豪速球を目隠しで受け止めるようなものです。
ので、それらを豪快にカバーした手法を下記の小冊子でお話しています。ご興味ある方はいますぐ請求して下さい。
規定集等のテンプレートも付いていますので、よろしければGETして下さい。
そうした後に、更に手取りを増やすテクニックは下記のセミナーでお話しています。
合わせてご確認下さい。
ここまで読んでくれてありがとうございます。それではまた、次の記事でお会いしましょう!