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はじめに
この記事に出てくる、数字やグラフ等は、「財務省」の発行する、「日本の財政関係資料(令和元年10月)」や「日本銀行HP」より下記法令に基づいて、掲載しています。
著作権法32条の第2項
国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。
※解釈やその他の事項について間違えがある場合は、ぜひご教授いただければ幸いです。
昨今、コロナウイルスで緊急事態宣言が出てからというもの、
政府による「給付金」を中心とした「資金繰り対策」が打ち出されています。
事業主や国民からすれば嬉しい話ではあるのですが、一体どこにそんなお金があるのか?という疑問を持つ人は多いのではないでしょうか?
ということで、久しぶりに、財務省や日本銀行のHPにて数字を確認してみました。(あまり細かいところまでは踏み込みませんが、お付き合いください)
結論から言いますと、藤巻健史先生の言うことが(もう何十年も日本の財政破綻が近い、ハイパーインフレがもうそこまで来ている、と言い続けている方。元モルガン銀行東京支店支店長、元参議院議員。詳しいプロフィールはこちら。)
私は、金融のプロフェッショナルであり、評論家でなく実務家だと思って、尊敬しています。
その、藤巻先生のお話も大げさな話でもないような・・・そんな気がしてまいりました。(どんな話なのか詳しく知りたい方は、著書や、Facebook、ツイッター等で確認してみてください。)
さて、一つ一つ見ていきます。(確認不足、ここも見るべきでは?といったご意見があれば、お手数ですが、教えてくださると助かります)
国債の発行額(残高)

(日本の財政関係資料(令和元年10月)より)
元年度末の見込みが記載されている資料のようですので、、もっと増えていることでしょう。
だれでも知っている、日本国債は1,000兆円を超えているというお話。これは言わずとしれた話なのですが、ちなみに支出に対する「公債依存度」は下記のようになっているようです。
公債依存度がすごい・・・

直近では、税収も増加してきていたこともあり、減少傾向には会ったようですが、今回のコロナによる財政出動はこの傾向を崩すことが予測できますよね。
債務残高対GDP比は、ダントツ世界一
ちなみに、ご存じの方も多いと思いますが、どれくらい世界の中の債務残高の日本の位置づけは、債務残高対GDP比は、「ダントツトップ」です。日本の財政関係資料(令和元年10月)に記載されている2017年の値は、235%です。
200%超えないと1位になれないのかというと、そんなことはなくて、2位はイタリアで「131.3%」、3位はアメリカで「106.2%」です。かなりの「ダントツぶり」であることが伺えるでしょう。
社会保障費が大きな要因だと本資料には書いてあります。
国債の約半分を保有しているのは日銀
その発行している国債は、一体誰が持っているのか、買っているのか?というお話です。イメージでは、銀行や保険会社と言う感じでしたが、半分弱(もう超えた?)日本銀行が所持しています。

(掲載元:https://www.mof.go.jp/jgbs/reference/appendix/breakdown.pdf)
初めてこの資料を見ると、「へえ」と思われるかもしれませんが、どうしてこうなっているのか、意外と知らないことが多いと思います。
シンプルに話すと、こうなるのではないかと思います。(すべてが正解ではないと思われますが、わかりやすくという観点で若干間違えもある可能性があります)
①私達が銀行(証券会社含む)や保険会社や年金にお金を預けます。
②金融機関は、その中の一部で国債を購入。
③銀行は、お金を「日銀の当座預金」に預ける
④日銀は銀行が預けている「当座預金」からお金を借りて、国債を銀行などから購入。
⑤銀行などは、国債を売って、現金を受け取る
⑥貸し出しが増えるわけでもなく、現金は当座預金に預けます。
⑦日銀の国債保有額が増加し、当座預金の残高も上昇。

(日銀の貸借対照表より)
こんな流れになっているようです。とりあえず、政府の支出を賄う分はこうやって捻出されている(公債依存する方法は)ようです。
私はここでだんだんわからなくなるのですが、これ、なんの意味があるの?というところです。
国債発行から、日銀の金融緩和、などの動きは、国(政府)が便利に借金できるようにしている仕組みを構築した、ということだけに見えるのですが、どうなのでしょう。。。
いずれにしてもこうなったら心配なことが以下のことです。
- 日銀は国債をずっと持っていていいのか?
- いつかは、市場に放出する予定だとは思うが、どうやって?
- 国債が人気がなくなって、利上げ(債券価格が減少)すると、債務超過になる?
(日銀HP:マネタリーベース残高をもとに阿久津和宏が作成)
- 日銀が債務超過になったら、誰が面倒見るのか?
- おそらく政府はフォローせざるを得ないだろう・・・
- って言うと、もしかして「公的資金」?つまり「税金」?
- それとも、藤巻先生の言うように、「日銀解散?」
- という具合です。これらがとりあえずなんの問題もなく続けられていて、国債と現金が銀行と日銀とを行き来しているだけ、と言うなら、国民は問題なくいられるわけですが、
今、コロナショックでこの動きは加速していることでしょうし、いつまでこの状態を続けられるのか?と心配になります・・・
日銀の貸借対照表(平成28年と平成31年の比較)
ちなみにこちらが日銀のBS(貸借対照表)をシンプルにまとめてみました。

こういう数字を見ていると、コロナはもちろん心配で早く終息してほしいし、困っている人は政府主導で助けるしかない、私も困ったら助けてほしいし、でも、です。あまり大盤振る舞いしすぎても、ある時、平穏を保っていたものが爆発するんじゃないか?と心配にもなります。
今できることはなにか?という話ですが、
私はこう思います。
- いち早く、コロナの打撃をもとに戻すこと(売上・収入面)
- またこういうのがあると思って売上予測や対策を打つ
- ランニングコストを抜本的に見直す
- 社会保険料を削減する(また今年、上がります)⇐約束は破られました^^;
- 資産は保全する(ポートフォリオを作る)
- 通貨分散する
- 置き場所(物理的な場所)を分散する
などなど。
ファイナンシャル・アドバイザーとして、社長が本業に専念できるように、それ以外の部分のお手伝いを更に強化していきたいと思っています。
もう少し詳しくご覧頂きたい方は
コロナ対策セミナー動画と資産保全セミナー動画をよろしければ御覧ください。
終わりに
いかがだったでしょうか?じっくり分析されている方には、物足りないと思われますが、とにかく、最悪を想定することが大事だ、ということはこのコロナで思い知らされたことと思います。
まずは今の現金、そして、今の現金を保全、この流れを作れるよう、役立ちそうなお話は、ぜひ取り入れていただければ幸いです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。