重複申請の基本ルール

補助金の世界での重複申請は、主に2つの意味があります。

  • 同一補助金への重複申請同じ公募回に同じ補助金を複数申請することは原則禁止
  • 同一経費に対する複数補助金の利用同じ設備・同じ経費に対して複数の補助金を受けることは原則禁止

一方で、別の経費に対して別の補助金を申請することは、ルール上認められることがあります。

同一経費の重複が禁止される理由

補助金は税金・国費を原資としているため、同一経費に対して複数補助金を受けると、結果として実費を上回る公的支援を受けることになり、制度の趣旨に反します。実績報告では、領収書・請求書ベースで補助金算定を行うため、二重計上があると後の検査で発覚することがあります。

組み合わせ可能なパターン

同時並行で複数補助金を活用する場合、経費区分を分けて整理することが大切です。代表的なパターンを紹介します。

パターン1:別の経費で別の補助金

ものづくり補助金で機械装置を導入し、持続化補助金で広告・販促を実施するなど、補助対象経費が重ならないように分ける方法です。

パターン2:別事業所・別事業

同一法人内でも、別事業所・別事業の経費は別補助金で申請できることがあります。たとえばA店舗の改装に持続化補助金、B店舗の設備にIT導入補助金など、対象が明確に分かれていれば併用可能なケースがあります。

パターン3:補助金+税制優遇

補助金と税制優遇(中小企業経営強化税制・賃上げ促進税制など)は、両立できることが多くなっています。設備投資で補助金を受けつつ、残額に対して特別償却・税額控除を組み合わせる方法があります。

公募要領で確認すべき項目

補助金ごとに重複制限の細部が異なります。公募要領で次の項目を確認します。

公募要領で確認するチェック項目
  • 他の補助金との重複制限の記載
  • 同一事業者の年度内多重受給に関する規定
  • 関連事業者・グループ会社の取り扱い
  • 過去採択補助金との関係(過去採択者の応募制限など)

重複申請が発覚するとどうなるか

採択後に同一経費の重複が判明すると、補助金の取り消し・返還・加算金の徴収につながることがあります。事務局による実績報告書のチェック・他補助金との照合・税務調査での発覚など、確認の手段は複数あります。

意図的でなくても適用される

知らずに同じ経費を二重計上してしまったというケースでも、重複が認められれば返還対象になります。経費の整理・社内管理・会計仕訳で、補助金ごとの経費を明確に区分しておくことが重要です。