ものづくり補助金は、製造業をはじめとした中小企業の設備投資・サービス開発に活用される代表的な補助金です。事業計画書の構成・数値計画の組み立てが採択を左右します。本記事では2026年5月時点の最新公募要領を参考に、事業計画書の章立てと書き方のコツを整理します。
ものづくり補助金で求められる事業計画書の章立て
ものづくり補助金の事業計画書は、公募要領で示される章立てに沿って作成します。代表的な構成は次のとおりです。公募回によって細部は変わることがあります。
- その1:補助事業の具体的取組内容取り組みの背景・課題・解決方法・実施スケジュール・体制
- その2:将来の展望市場規模・想定顧客・収益見込み・補助事業終了後の運営方法
- その3:本事業で取得する主な資産機械装置・システムなど取得予定資産の一覧
- その4:収益計画付加価値額・経常利益・売上高の年度推移
その1:取組内容の書き方のコツ
その1は事業計画書の中心部分です。読み手の審査官が短時間で理解できるよう、論理の流れを意識します。
背景・課題・解決策・効果の4段構成
現状こうである(背景)→こんな課題がある(課題)→こうやって解決する(解決策)→こんな効果が出る(効果)の4段で組み立てます。各段に数値・図表・写真を入れると、視覚的にも理解しやすくなります。
その2:将来の展望の書き方
将来展望は補助事業が終わった後に、どう事業が伸びるかを示す部分です。市場規模・想定顧客・販売チャネル・競合との差別化を整理します。
将来展望を書くときの観点
- 市場規模の出典を明示する(中小企業庁・業界統計など)
- 想定顧客のセグメントを具体化する
- 販売チャネルを既存ルート+新規ルートで整理する
- 競合との差別化を技術・価格・関係性の3軸で示す
その3:取得資産の整理
導入予定の機械装置・システムを一覧で整理します。型番・仕様・購入先・金額・補助対象経費区分を明示します。見積書と一覧の数字が一致していることを確認します。
相見積の準備
機械装置・システムは原則として2社以上から見積を取得します。相見積が取れない事情がある場合は理由書を添付します。見積有効期限が短いと申請時点で失効していることがあるため、提出直前に再取得することも検討します。
その4:収益計画の数値根拠
ものづくり補助金では、付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)の年率3%以上向上などの目標設定が求められることが多くなっています。3〜5年の年度ごとに、売上高・付加価値額・経常利益・従業員数の推移を提示します。
数値根拠の組み立て
設備導入で生産能力が◯倍になる、新規顧客◯件に営業をかけて◯%受注見込み、単価◯円×受注件数など、計算過程を文章で示します。市場規模・業界平均・自社の過去実績を引用元として記載すると、根拠の説得力が高まります。
加点項目を意識する
ものづくり補助金には複数の加点項目があります。事業計画書本文と別添資料で加点を取得できる仕組みです。加点項目の取得は採択率に影響します。
- 賃上げ計画の表明従業員給与の引上げ計画書
- 経営革新計画の承認都道府県知事の承認書
- 事業継続力強化計画の認定経済産業省の認定書
- パートナーシップ構築宣言公式サイトでの宣言登録
よくある質問
Q. 事業計画書は何ページくらい書けばよいですか?
ものづくり補助金は10ページ前後が目安となることが多くなっています。図表を含む場合はこれより多くなることがあります。ページ数より、必要要素が網羅されているかが重要です。
Q. 数値計画は何年分必要ですか?
補助事業終了年度を含めて3〜5年程度の計画を求められることが多くなっています。公募回ごとに細部が変わるため、最新の公募要領を確認します。
Q. サービス業でも申請できますか?
ものづくり補助金は製造業中心と思われがちですが、サービス業の生産性向上・サービス開発も対象になります。サービス内容・提供プロセスの改善で活用できることがあります。
Q. 認定支援機関の確認は必要ですか?
公募回によって必要性は変わります。事業計画書の妥当性・整合性を第三者目線でチェックしてもらえる利点があります。
Q. 落選した場合、次回再申請できますか?
次回公募回での再申請ができることが多くなっています。事業計画書の改善点を整理し、加点項目の取得を進めて挑戦します。