代行と自力の主な違い

代行と自力の主な違いを整理します。事業者の負担・採択確率・トータルコストが変わります。

項目代行自力
事業計画書の作成時間業者主導・ヒアリング数時間自社で20〜80時間
採択確率の傾向業者経験で底上げ初回は低めの傾向
着手金0〜30万円0円
成功報酬採択額の10〜20%0円
採択後のサポート業者次第自社で対応

「採択額」と「手取り額」を区別する

代行を使うと採択額のうち成功報酬分が手取りから減ります。たとえば1,000万円採択でも、成功報酬15%なら150万円が業者に支払われ、自社の手取りは850万円になります。この差を踏まえて、自力で採択した場合と比較します。

費用対効果の試算方法

費用対効果を試算するには、次の3軸を組み合わせます。

  1. 採択額の目安補助金の上限額・自社の事業規模から想定額を出す
  2. 採択確率の見積業界平均の採択率と自社の状況から確率を見積もる
  3. 自社の作業時間の機会コスト1時間あたりの自社時給を試算

試算の具体例

ものづくり補助金で1,000万円採択を狙う場合の試算例を示します。

項目代行自力
採択額(想定)1,000万円1,000万円
採択確率40%(業者経験で底上げ)20%(初回の場合)
期待採択額400万円200万円
代行費用(着手金+成功報酬)180万円(成功報酬15%+着手金30万円)0円
自社作業時間コスト10時間×時給5,000円=5万円50時間×時給5,000円=25万円
差引き期待手取り215万円175万円

この例では代行を使った方が期待値が高くなりますが、補助金額が小さくなったり採択確率の差が小さい場合は逆転することがあります。

代行が向くケース

代行を使う方が得になりやすいケースを整理します。

補助金額が大きいほど成功報酬を支払っても手取りが残りやすくなります。また、初回申請で事業計画書の書き方が分からない場合、業者の経験を活用することで採択確率が変わることがあります。

  • 補助金額が大きい1,000万円以上の補助金は成功報酬を払っても手取りが大きい
  • 本業が繁忙自社で事業計画書を書く時間が取れない
  • 初回申請で書き方が分からない業者経験を活用して採択確率を底上げ
  • 複雑な計画新規事業立ち上げ・複数事業の統合など、書類化が難しい

新規事業の立ち上げや複数事業の統合など、自社だけでは整理しにくい事業計画ほど、専門家に入ってもらうことで書類の説得力が上がる場合があります。

業者選びでさらに費用対効果が変わる

同じ補助金でも、業者の採択実績・対応の質によって費用対効果は変わります。複数の業者から見積を取り、提案内容・契約条件を比較します。

自力が向くケース

自力で進めた方が得になりやすいケースを整理します。

補助金額が小さいほど、代行費用の負担割合が相対的に大きくなります。持続化補助金のように商工会議所・商工会が無料でサポートしてくれる制度は、まず無料窓口を活用してから代行の必要性を判断することをお勧めします。

  • 補助金額が小さい持続化補助金50〜200万円規模は、成功報酬の負担割合が大きい
  • 過去の採択経験がある事業計画書の型が分かっている
  • 商工会議所・商工会の無料サポートを活用できる持続化補助金は商工会議所が無料で書類確認
  • 申請書類量が少ない補助金IT導入補助金(ITツール購入のみ)など
  • 従業員に書類作成の専門人材がいる中小企業診断士・税理士などが在籍

過去に採択された経験があれば、事業計画書の構成や審査員の視点がある程度つかめています。2回目以降の申請であれば、前回の書類を土台に自力で改善する方が費用対効果が高くなることがあります。

商工会議所・よろず支援拠点の活用

商工会議所・商工会の経営指導員は、持続化補助金を中心に申請サポートを行っています。様式4(事業支援計画書)の発行にも関わるため、相談すると申請がスムーズになります。よろず支援拠点は補助金以外の経営相談も無料で対応しています。

判断の進め方

代行と自力の選択は、次の3ステップで判断します。

  1. 申請する補助金と目指す採択額を確定自社の事業規模・補助対象経費から想定
  2. 採択確率を見積もる業界平均と自社の状況(初回か経験者か)から確率を出す
  3. 3〜5社の代行業者から見積を取る着手金・成功報酬の総額と内容を比較
  4. 自社で書く場合の作業時間を見積もる本業への影響も含めて検討
  5. 期待手取りで比較し、リスク許容度を踏まえて決める
判断のヒント

どちらを選ぶかは補助金の規模と自社の状況で変わります。以下の目安を参考に、自社に当てはまるケースを確認してください。

  • 補助金額500万円超なら代行も検討の価値あり
  • 補助金額200万円以下は自力+無料サポート活用が中心
  • 初回申請なら採択確率の差を大きめに見る
  • 本業繁忙期に重なる場合は時間コストを大きめに評価

最終的な判断は期待手取り額だけでなく、採択後の実績報告をどこまでサポートしてもらえるかも含めて比較することで、トータルの費用対効果が見えやすくなります。