業種ハブ|無店舗型性風俗特殊営業(届出制)
無店舗型性風俗特殊営業(いわゆるデリヘル)の
届出を、営業開始の前日までに済ませる。
風適法第2条第7項に基づく無店舗型性風俗特殊営業(いわゆるデリヘル)は、営業開始の前日までに管轄警察署経由で都道府県公安委員会に届出が必要です。
届出制ですが、立入検査・廃業命令・刑事罰のリスクは許可制と同等以上です。事務所所在地の200m距離規制・受付所禁止地域・18歳未満使用禁止が最大の差戻し回避ポイント。本ページに、必要書類・期間・費用・都道府県差異・罰則までまとめました。
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こんな方が読んでいます
- 派遣型ファッションヘルス・デリヘル(いわゆる無店舗型)の新規開業を検討している方
- 女性用風俗(派遣型)の届出が必要か確認したい事業者の方
- 既存事務所の移転で200m距離規制を再確認したい方
- 受付所を設置したいが、都道府県条例で全域禁止になっていないか調べたい方
- 採用時の年齢確認体制(公的身分証コピー保管)を整備したい方
- HP上の女性写真の表示・モザイクの境界が分からない方
無店舗型性風俗特殊営業とは(風適法第2条第7項)
風適法第2条第7項は、無店舗型性風俗特殊営業を「性風俗関連特殊営業のうち、店舗を設けないで営むもの」と定義しています。
第1号と第2号があります。
該当する業態
- 第1号:人の住居・宿泊施設等に派遣して、異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業(いわゆるデリヘル/派遣型ファッションヘルス/女性用風俗等)
- 第2号:電話等で受けた客の依頼に応じ、性的好奇心をそそる写真・ビデオ等の物品を販売・貸付する営業(いわゆるアダルト物品通販)
待機所・案内所を置く場合も「無店舗型」のままです(店舗型性風俗特殊営業=ソープ・店舗ヘルス等とは別)。
届出制の構造と差戻し回避ポイント
制度の特徴
- 届出のみで営業可能(許可制ではない・事前審査55日のような期間はない)
- 提出時期:営業開始の前日までに管轄警察署経由で公安委員会へ
- 受理されれば届出書1部が受領される(受領証発行)
- 許可制と違って「許可番号」「許可証」はない。届出受領証を保存する
許可制以上に怖い差戻し回避ポイント
- 届出受理=合法保証ではない。届出書類に虚偽・記載不備があれば後日処分対象
- 営業開始後の立入検査(風適法第37条)で違反発覚すれば即・営業停止命令・廃業命令
- 無届営業は刑事罰(6月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)の対象
- 事前審査がないぶん、書類精度は許可制以上に問われる
必要書類リスト(早見表)
| 区分 | 書類 | 取得先・備考 |
|---|---|---|
| 本体 | 営業開始届出書(別記様式第25号) | 都道府県警HP・様式番号は微調整あり |
| 本体 | 営業の方法(別記様式第28号) | 業務手順を文章で記載 |
| 本人 | 住民票(本籍記載・全部記載・3ヶ月以内) | 市区町村 |
| 本人 | 身分証明書 | 本籍地市区町村・3ヶ月以内 |
| 本人 | 誓約書(欠格事由非該当) | 行政書士作成 |
| 本人 | 本人写真(縦3.0×横2.4cm・6ヶ月以内) | 個人申請時 |
| 事務所 | 使用権を証する書類 | 賃貸借契約書写し or 建物登記事項証明書 |
| 事務所 | 事務所の平面図 | 縮尺・各室用途・面積記載 |
| 事務所 | 事務所周辺概略図(半径200m) | 保護対象施設の位置・距離 |
| 法人 | 定款写し・履歴事項全部証明書 | 3ヶ月以内 |
| 法人 | 役員全員の住民票・身分証明書・誓約書 | 本籍地での取得 |
| 案内所 | 所在地・平面図・使用権書類 | 受付所設置時のみ |
| 待機所 | 所在地・平面図・使用権書類 | 待機所設置時のみ |
派遣型ファッションヘルスの受付所については、都道府県条例で全域禁止となっている地域があるので要確認。
期間・費用の目安
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 届出時期 | 営業開始の前日まで |
| 合計(最短) | 2〜4週間(書類収集と図面作成) |
| 届出手数料 | 3,400〜11,900円程度(業態・都道府県により) |
| 行政書士報酬の目安 | 10万〜25万円 |
距離制限・禁止地域(風適法第28条+都道府県条例)
事務所の200m距離規制
風適法第28条は本来「店舗型」性風俗特殊営業の地域規制ですが、無店舗型については都道府県条例で事務所の所在地について200m距離制限を課している自治体があります。
保全対象施設(典型例)
事務所から半径200m以内に以下があると禁止:
- 学校(幼稚園・小中高・大学)
- 図書館
- 児童福祉施設(保育所・児童館等)
- 病院・診療所(一定規模以上)
- 都市公園
- 博物館・博物館類似施設
- 公民館
用途地域
- 住居系用途地域(第一種・第二種低層住居専用、中高層住居専用、第一種・第二種住居等)は事務所として使えない場合あり
- 商業地域・近隣商業地域・準工業地域なら原則OKだが、自治体条例で個別禁止地域指定あり
必ず事務所所在地の都道府県条例本文を確認し、所轄警察署の事前相談を実施してください。
18歳未満使用禁止(風適法第31条の3)
派遣する者(女性従業員)に18歳未満を使用してはならない義務があります。
必要な体制
- 採用時に顔写真付公的書類(運転免許証・パスポート・マイナンバーカード等)で年齢確認
- 本人確認書類のコピーを保管(従業者名簿と一体で)
- 従業者名簿の作成・備置(風適法第36条)
- 違反時:営業停止命令・廃業命令・刑事罰(1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)
児童買春・児童ポルノ法違反、職業安定法違反等の重ねての処分リスクもあります。
広告・宣伝規制(風適法第31条の8)
- わいせつな描写・表示を含む広告・宣伝の禁止
- 公衆の目に触れる方法での広告・宣伝の制限(屋外看板・のぼり等)
- 送信型のメール広告にも制限(特定電子メール法と重複)
- HP上の女性写真の顔出し・ヌード表示はわいせつ判定リスクあり(モザイク・部分加工で対応)
- 事務所の屋外広告(看板・のぼり等)は原則不可
- HPトップに「18歳未満閲覧禁止」の警告ページを置くのが実務上必須
- ポスティング・ビラ配布は禁止地域での違反になりうる
都道府県差異の注意点
- 東京都:受付所の全域禁止地域あり(条例)。事務所+派遣のみが安全。
- 大阪府:北区・中央区の繁華街は事前相談必須。受付所禁止地域あり。
- 愛知県:栄エリア中心。郊外は条例の地域指定が個別。
- 宮城県・神奈川県:派遣する者の性病検査・健康診断を年○回義務付ける条例あり。
- 北海道:薄野中心。郊外は事前相談で個別運用。
- 都道府県をまたぐ派遣は管轄警察署と要相談。営業区域が条例で限定される県あり。
不許可(受理拒否)・差戻しの典型例
- 事務所が200m距離規制に抵触:物件契約後に近隣の保育所が判明した事例。
距離測定は建物の最も近い壁面間の直線距離。 - 受付所を全域禁止地域に設置していた:東京都・大阪府等で頻発。条例本文の確認漏れ。
- 用途地域違反:第一種住居地域だった事例。住居系は事務所として不可。
- 賃貸借契約書に風俗営業使用承諾なし:契約条項で「風俗営業を除く」と記載されていた事例。
- 役員に欠格事由:5年以内の風適法処分歴がある役員が在籍。
立入検査と罰則
立入検査(風適法第37条)
警察職員が事務所に立入検査できます:
- 帳簿(顧客台帳・予約簿・派遣記録)
- 従業者名簿(本人確認書類コピー含む)
- 事務所の現況
- 営業の方法(届出内容との整合性)
検査拒否・虚偽記載は刑事罰対象。
主な罰則(風適法第50条以下)
| 違反内容 | 罰則 |
|---|---|
| 無届営業 | 6月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 |
| 18歳未満使用 | 1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 |
| 広告・宣伝規制違反 | 100万円以下の罰金 |
| 営業停止命令違反 | 1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 |
| 立入検査拒否 | 100万円以下の罰金 |
法人重課:両罰規定により法人にも同額罰金。
自分でやる手順/頼んだ方が早いケース
自分で届出する手順
- 事務所所在地の都道府県条例本文を確認(200m距離・禁止地域・健康診断義務等)
- 所轄警察署生活安全課・保安係に事前相談
- 賃貸物件の場合、貸主の使用承諾書を取得
- 本人確認体制(顔写真付公的書類+コピー保管)を採用前から構築
- HPに18歳未満警告ページを設置・女性写真は加工
- 必要書類の取得(住民票・身分証明書・登記事項証明書等)
- 事務所の平面図・周辺概略図(半径200m)の作成
- 営業開始の前日までに届出書を提出
- 届出受領証を受け取る(保管必須)
- 営業開始
頼んだ方が早いケース
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 事務所所在地の200m調査が必要 | 頼む(保護対象施設の確定が法的判断) |
| 受付所設置を検討 | 頼む(条例の全域禁止地域チェック必須) |
| 役員が複数・本籍が遠方 | 頼む(書類取得の郵送時間が読めない) |
| HP・採用フローの整備が未着手 | 頼む(18歳未満防止の運用設計まで) |
| 立入検査・苦情対応の体制づくり | 頼む(届出後の継続支援が必要) |
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