補助金を使って販路開拓・展示会出展をする方法
展示会への出展は新規顧客を獲得するための有力な手段ですが、出展料・ブース装飾・パンフレット制作・交通費など、まとまったコストがかかります。補助金を活用することで、こうした販路開拓コストの一部を賄えることがあります。この記事では、活用できる制度と申請の流れを整理します。
販路開拓や展示会出展は、新規顧客の開拓・ブランド認知向上・BtoBの商談機会創出などに有効な手段です。しかし、専門展示会や業界フェアへの出展費用は中小企業にとって負担になることがあります。そうした場面で補助金を活用することで、リスクを抑えながら販路開拓に取り組める可能性があります。
特に小規模事業者持続化補助金は、販路開拓を目的とした経費を補助する制度として設計されており、展示会出展と直接親和性が高い制度のひとつです。また、ものづくり補助金の一部の枠でも展示会関連費用が対象になることがあります。
販路開拓に使える主な補助金の種類
販路開拓・展示会出展に活用できる補助金は複数存在します。自社の規模・目的・出展する展示会の種類によって向いている制度が変わります。
| 補助金名 | 販路開拓への活用ポイント | 補助率の目安 |
|---|---|---|
| 持続化補助金 | 展示会出展料・ブース装飾・パンフレット制作・Web広告など幅広く対象になることがある | 2/3 |
| ものづくり補助金 | 新製品・新サービスを展示会でPRする場合、展示会費用が対象になることがある | 1/2〜2/3 |
| 都道府県・市区町村の補助金 | 地域の中小企業向けに展示会出展を支援する独自制度が設けられていることがある | 制度による |
| 海外展開支援制度 | 海外展示会への出展費用・翻訳費・渡航費が対象になることがある | 制度による |
参考:中小企業庁「ミラサポplus」(https://mirasapo-plus.go.jp/)では、販路開拓・海外展開を目的とした補助金を絞り込んで検索できます。
持続化補助金で展示会出展する場合の対象経費
持続化補助金は、商工会・商工会議所の管轄下にある制度で、小規模事業者の販路開拓・集客強化を目的としています。展示会出展に関わる費用の多くが補助対象になることがあります。
展示会出展で補助対象になることがある経費
- 展示会の出展料・小間料 展示会主催者に支払う出展料・小間料が補助対象になることがあります。ただし、あくまで「新たな販路開拓のための出展」であることを計画書で説明することが重要です。
- ブース装飾費・パネル制作費 来場者に自社製品・サービスの魅力を伝えるためのブース装飾・バックパネル・のぼり・タペストリー等の制作費が対象になることがあります。
- カタログ・パンフレット・チラシの制作費 展示会で配布するカタログ・パンフレット・名刺・プレスリリースの印刷・デザイン費用が対象になることがあります。
- サンプル・試作品の制作費 展示会でPRするための試作品・デモ用サンプルの制作費用が対象になることがあります。ただし、制度によって上限額や要件が設けられていることがあります。
- 展示会後のフォローDM・メール配信費用 展示会で名刺交換した見込み客へのDM送付・メール配信システムの利用料が対象になることがあります。
- 交通費・宿泊費(一部の枠では対象になることがあるが、原則は補助対象外のことが多い)
- 展示会での飲食・接待にかかる費用
- 採択前に支払った出展料・制作費
- 補助事業期間外に発生した費用
持続化補助金で展示会出展するまでの流れ
持続化補助金を活用して展示会出展を行う場合の一般的な流れを整理します。
まず地元の商工会または商工会議所の窓口に相談します。経営計画書・補助事業計画書の作成支援を受けられます。担当者と相談しながら「どの展示会に、何を目的に出展するか」を計画します。
自社の現状・強み・課題を整理した「経営計画書」と、補助金で何をするか・どんな効果を期待するかをまとめた「補助事業計画書」を作成します。展示会の名称・出展目的・期待する成果(商談件数・受注目標等)を具体的に記載することが重要です。
持続化補助金は年に複数回の公募が行われることがあります。商工会議所の確認書を添付して電子申請システム(jGrants)から申請します。
採択通知が届いた後に、展示会への申し込み・出展料の支払い・パンフレット制作の発注等を行います。採択前に契約・発注・支払いを行うと補助対象外になることがあります。
展示会への出展・各種販促施策を実施した後、証拠書類(領収書・写真等)を揃えて実績報告書を提出します。報告書が承認されると補助金が交付されます。
展示会出展を補助金審査で通りやすくするための計画書の書き方
持続化補助金の審査では、「この展示会出展が自社の販路開拓にどうつながるか」を説明できるかどうかが重要です。以下のポイントを補助事業計画書に盛り込むことをおすすめします。
- 出展する展示会の名称・規模・来場者属性(どんな業種・ターゲットが来るか)
- なぜこの展示会を選んだか(自社のターゲット顧客と合致する理由)
- 展示会で何をPRするか(製品・サービスの具体的な内容)
- 出展後のフォローアップ計画(名刺交換後のDM・商談設定の流れ)
- 期待する成果の数字(商談件数・受注目標・新規取引先の獲得目標等)
- 経費の内訳と金額(見積書を添付できると審査員に伝わりやすい)
都道府県・市区町村独自の展示会支援制度も活用する
国の補助金に加えて、都道府県・市区町村が独自に設けている中小企業向けの展示会出展支援制度も確認することをおすすめします。地域によっては出展料の一部を助成する制度や、合同ブースとして参加費用を抑えられる制度が設けられていることがあります。
また、商工会議所・商工会・業界団体が主催する合同出展プログラムを利用すると、ブース費用を複数社で分担できるため、単独出展より低コストで参加できることがあります。地元の商工会議所に「展示会支援はありますか?」と問い合わせてみることをおすすめします。
参考:中小企業庁「経営サポート 販路開拓支援」(https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/index.html)
展示会出展後に補助金の効果を最大化するために
補助金を使って展示会に出展することは手段であり、目的は新規顧客の獲得・売上の拡大です。出展後のフォローアップを丁寧に行うことで、投資対効果が大きく変わることがあります。
名刺交換した見込み客へのフォローメール・電話・資料送付のタイミングと内容を事前に準備しておくことが重要です。展示会当日の会場での対応だけでなく、出展後1〜2週間のフォローアップが成約率に大きく影響することがあります。補助金の実績報告書に「出展後の商談件数・受注件数」を記録しておくと、次回の補助金申請にも活用できます。
よくある質問
小規模事業者持続化補助金では展示会の出展料・ブース装飾費・交通費の一部が対象になることがあります。ものづくり補助金でも展示会関連費用が補助対象になるケースがあります。制度ごとに要件が異なるため、公募要領の確認が必要です。
海外展開を支援する補助金・助成金の中には、海外展示会への出展費用が対象になるものがあります。中小企業庁や各都道府県の支援機関が設けている海外展開支援制度を確認することをおすすめします。
補助金は原則として採択通知後に発注・契約を行う必要があります。採択前に展示会申し込み・出展料の支払いを行った場合、補助対象外となる可能性があるため、必ず採択通知を受け取ってから手続きを進めることが重要です。
展示会後のDM送付・サンプル発送・カタログ制作費用が補助対象になることがあります。ただし、交際費・接待費に当たる費用は補助対象外になることがほとんどです。事前に対象経費の確認が必要です。
Well Consultant合同会社代表。行政書士として補助金申請支援に特化した実務を展開。中小企業庁認定の経営革新等支援機関として、ものづくり補助金・持続化補助金・IT導入補助金など主要補助金の申請書作成から採択後フォローまでを一貫してサポート。補助金採択件数157件・採択総額26億円超の実績をもとに、補助金コンサルとして独立・継続するためのノウハウを発信しています。
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