業種カテゴリ|風俗営業1号(接待飲食)
ホストクラブ開業で押さえる
構造設備3要件と図面のコツを、
行政書士が実務目線で解説します。
ホストクラブの開業申請で最も差戻しが多いのが図面段階のミスです。物件契約OK・書類OKでも、構造設備が施行規則の基準に合っていないと許可は下りません。
特にホストクラブは「VIP個室風の高級感」を出したいあまり、見通しを妨げる障壁・狭小客室・過度な調光照明で基準を外しやすい業態です。
この記事では、ホストクラブで必ず押さえる構造設備3要件(客室面積・見通し障壁・照度)と、図面段階での差戻し回避ポイントを実務目線で解説します。
こんな方のための記事です
- これからホストクラブを新規開業したい方
- 店舗デザイナー・内装業者と図面を進めている方
- VIP個室を設計したくて構造基準が気になる方
- 既存物件をホストクラブに業態変更しようとしている方
- 図面段階で所轄警察署から差戻しされた方
- 客室面積や照度の基準を正確に把握したい方
ホストクラブの客室面積はどう測る?1室16.5平米基準と求積図の書き方
1号許可の客室面積基準は和室を除き1室16.5平米以上(風適法施行規則第6条)。ホストクラブで最初につまずくのがここです。
ホストクラブは指名客に対して個別感を出すため、客室を細かく仕切りたくなりますが、仕切った各区画がそれぞれ16.5平米以上でなければ、いずれも客室として認められません。「メイン客室+VIP個室+プレミアムルーム」のような3区画構成にする場合、それぞれ16.5平米×3=最低49.5平米のフロア面積が必要になります。
求積図には壁芯寸法または内法寸法のどちらで計算しているかを必ず明記します。所轄警察署によっては内法を要求するところもあり、壁芯計算で提出すると差戻しになります。事前相談で確認するのが最も確実です。
また、客室と通路・カウンター・調理場・トイレ・更衣室は別空間として区別します。これらを客室面積に含めて計算してしまうと、実際の客室は16.5平米未満で差戻しに。求積図上で客室の境界線を明確に引きます。
| 区画 | 客室面積カウント | 備考 |
|---|---|---|
| メインフロア | ○ | 16.5平米以上必須 |
| VIP個室 | ○ | 区画ごとに16.5平米以上 |
| カウンター | × | 営業所内別空間 |
| 調理場・洗い場 | × | 営業所内別空間 |
| 通路・トイレ | × | 営業所内別空間 |
求積図は内装業者ではなく行政書士または建築士が書くのが安全。営業面と建築設計面が乖離すると差戻しの原因になります。
ホストクラブの見通し障壁規制は?高さ1m超の仕切りはNG
客室の見通しを妨げる高さ1m超の障壁は施行規則で禁止されています。これはホストクラブ設計で最も注意が必要なポイント。
VIP席の囲い・ボックス席の高い仕切り板・観葉植物の高さ1m超の植栽・カーテンで仕切る個室風スペース・パーテーションすべて該当します。「ちょっと隠れた感じが欲しい」という要望は分かりますが、所轄警察署の現地確認で1m超と判定されると、客室として認められません。
代替策としては、高さ1m以下のローパーテーション、透明アクリル板(見通しを妨げない)、床の段差(パーテーションでない)、ソファの背もたれ(家具なので障壁ではない)等が認められます。「個室感」を出したい場合はこれらを組み合わせて演出します。
図面に書く際は、各仕切りの高さを実測値で明記してください。「壁」「パーテーション」「家具」を区別せず描画すると、所轄警察署が判別できず差戻しになります。
ホストクラブの照度はどう測る?1号許可の照度基準と調光ルール
1号許可の照度基準は5ルクス超です。1号許可の規制は『5ルクス以下にしてはならない』。一方、2号許可(低照度飲食店)は『10ルクス以下』が要件で、こちらは「あえて暗くする店舗」が対象。1号と2号で照度の意味が真逆なので混同しないでください。
ホストクラブはムード照明・キャンドル風照明・スポットライト等を多用するため、最大調光時の照度値を必ず計測しておきます。LED調光器を最暗にした状態で5ルクス未満になると、1号許可の基準を外します(その場合は2号許可の領域)。
音響照明設備配置図には、各照明器具の位置・種類(LED調光・スポット・キャンドル風等)・最大調光時の照度値を記載します。「カラオケ機器・モニター・ミラーボール」も配置図に書きます。客席エリアとステージ・カラオケエリアの区分も明確に。
照度計は所轄警察署が現地確認時に持参して実測します。図面値と実測値が乖離すると差戻し。内装完成後の家具配置で照度が変わるため、家具設置後に行政書士同行で再測定するのが鉄則です。
調光器を最暗にして5ルクスを切る場合は、最暗ポジションを物理的に固定する(リミッター付き調光器)対応が必要になります。
ホストクラブの図面提出時にチェックする差戻し回避ポイント7つ
図面段階で行政書士が必ず確認する差戻し回避チェックリストです。内装業者と打ち合わせる前にこのリストを共有しておくと、後戻り工事を防げます。
- 客室面積:和室を除き1室16.5平米以上を満たしているか
- 求積方法:壁芯/内法のどちらで計算したか明記してあるか
- 客室境界:通路・カウンター・調理場・トイレを別空間として区分してあるか
- 見通し障壁:高さ1m超のパーテーション・植栽・カーテン仕切りがないか
- 照度:最大調光時の照度値が5ルクス超を維持できるか
- 音響照明配置:各機器の位置・種類・調光範囲が図面に明記されているか
- 縮尺:1/100または1/50の標準縮尺で寸法が読み取れるか
このチェックリストを内装業者・店舗デザイナーに事前共有することで、図面段階でのズレを防げます。完成後の作り直しは数百万円単位の損失になることもあります。
ホストクラブの設計から開業まで何か月かかる?標準的なスケジュール
図面確定→申請→現地確認→営業開始までの標準スケジュールは以下のとおり。物件契約から計画すると、開業まで4〜5か月が目安です。
| 時期 | 実施事項 |
|---|---|
| 物件契約後すぐ | 用途地域・保護対象施設距離・構造を事前確認 |
| 契約後30日 | 店舗デザイナー決定・図面初版完成 |
| 契約後45日 | 行政書士の図面チェック・修正反映 |
| 契約後60日 | 内装着工 |
| 契約後90日 | 3ヶ月期限書類取得開始 |
| 契約後100日 | 申請書類完成・所轄警察署提出 |
| 契約後130〜155日 | 現地確認立会・許可証受領 |
| 契約後155日〜 | 営業開始 |
図面段階で行政書士が入ることで、内装着工後の作り直しを防げます。当事務所では設計打ち合わせ同行も対応可能です。
よくあるご質問(ホストクラブ開業 構造設備)
ホストクラブの客室面積基準は?
和室を除き1室16.5平米以上が必要です(施行規則第6条)。複数客室に分ける場合はそれぞれ16.5平米以上を確保する必要があり、フロア全体の面積を圧迫します。
VIP個室は作れますか?
高さ1m以下のパーテーション・透明アクリル板・床段差・家具で『個室感』を演出する範囲なら可能です。高さ1m超の壁・カーテン仕切りは見通し障壁として禁止されます。
ホストクラブの照度規制は?
1号許可は5ルクス超でなければなりません。最大調光時に5ルクスを切ると2号許可の領域。ムード照明を多用する場合はリミッター付き調光器で最暗ポジションを物理的に固定する対応が必要です。
求積図は壁芯と内法どちらで書く?
都道府県警によって扱いが異なるため事前相談で確認します。所轄警察署が壁芯指定の地域もあれば内法指定の地域もあり、誤った方法で提出すると差戻しになります。
図面は内装業者と行政書士のどちらが書く?
内装業者がベース図面を作成し、行政書士が風適法基準に合致しているか確認するのが鉄則。営業面(風適法)と建築面(建築基準法)は別の基準なので、内装業者だけに任せると風適法上の差戻しが発生します。
図面と内装が違っていたら差戻しですか?
現地確認立会で図面と実物が乖離すると差戻しになります。家具設置後に照度が変わるケースが多いため、家具設置後に行政書士同行で再測定するのが安全です。
図面のやり直しは何回まで?
回数制限はありませんが、所轄警察署の現地確認後に修正指摘が複数回入ると、申請から55日では収まらず開業日がずれます。申請前の図面チェックが最も重要です。
