業種カテゴリ:風俗営業5号(ゲームセンター)/最終更新:2026-05-10
5号許可後の景品交換ルール
「景品交換のルールって、結局どこからがアウトなんでしょうか?」——5号許可を取った後、現場で一番混乱するのがここなんです。景品の価格は?種類は?景品交換場所はどこに置く?商品券はOK?お客様同士の交換を見たらどうする?——細かい論点が山ほどあって、現場の店員さんが判断に迷うんですよね。今日は「800円ルール」「現金禁止」「徴収代金以下」の3原則を軸に、景品交換の運用全体を整理していきます。
結論からお伝えします
結論を最初に押さえてください。5号許可後の景品交換は、次の3つが核です。
- 「物品の価額が800円以下」(仕入価格+消費税ベース)
- 「現金・有価証券は不可」(商品券・QUOカード・図書カード等を含む)
- 「客から徴収した代金(メダル代等)以下の景品提供」(射幸性抑制)
この3つを軸に、仕入れ・在庫管理・お客様への提供までを一連のオペレーションとして設計するのが、5号営業を安定運用させるコツです。
背景・前提:なぜここまで厳しいのか
景品提供の規制は風適法第23条と関連規則で定められています。なぜここまで厳しいのかというと、景品が高額化・現金化すると、賭博類似行為に近づくからなんです。違反すると賭博類似行為として刑事処分・許可取消の対象になることがあります。営業停止1ヶ月でも経営インパクトは甚大ですから、現場ルールでしっかり止めておく必要があります。
ところで、「うちは小さい店だから大目に見てもらえる」と考えるオーナーさんが時々いらっしゃるんですが、規模の大小は処分に関係しません。むしろ小規模店ほど立入時の心象が処分の軽重に響くので、書類整備と店内表示はしっかりやっておきたいところですね。
景品提供の3大ルール
| ルール | 内容 |
|---|---|
| 景品上限 | 1人が同時取得しうる景品の合計が800円以下(仕入価格+税) |
| 現金景品禁止 | 現金・商品券・QUOカード・図書カード等は不可 |
| 提供方法 | 客の遊技結果に応じた景品(クレーンゲーム・メダル交換等) |
| 支払代金以下 | 客から徴収した代金以下の景品(射幸性抑制) |
表の4つ目、「支払代金以下」がよく見落とされるんですよ。「1,000円分メダル買って800円相当の景品取れた」はOK、「100円玉1枚入れて800円のフィギュア当たった」はNGの方向、というニュアンスです。射幸性が高すぎる設計はそもそも避ける、という思想ですね。
景品の種類——3パターンで設計する
1. 直接提供型景品
クレーンゲームのように、ゲーム結果で直接景品を取得する形式です。お客様の手元に景品がそのまま渡る流れですね。一番シンプルですが、機械内の景品ラインナップ管理(800円ルール)が肝です。
2. メダル景品交換
メダルゲームでメダルを獲得し、たまったメダルを景品と交換する形式です。「メダル○○枚で景品A」の対応表をカウンターに掲示する運用が一般的。メダルは店外持ち出し禁止、これ徹底してください。持ち出されると換金疑惑につながります。
3. ポイント・チケット交換
ゲーム結果でポイント・チケットを獲得し、景品と交換する形式。最近はカード・アプリ管理が増えていますね。デジタル管理にする場合、ポイントの有効期限・現金換算不可を明示しておくのが安全です。
景品の仕入れ——プライズ卸からが鉄板
- 業界専門卸(プライズ業者)からの仕入れが一般的。バンプレスト・タイトー系列・SEGA関連等
- プライズ専用品(市販されないオリジナル)が多く、市場価格と乖離が出にくい
- 仕入価格表・伝票・納品書を必ず保管(立入時の最重要書類)
- 季節・キャンペーン商品の入替サイクルを月次で計画
個人輸入・フリマアプリ仕入は基本避けてください。仕入価格の証明ができないので、立入時に「800円以下」を立証できなくなります。ここを横着すると痛い目に遭いますね。
景品在庫管理——立入で見られる5項目
| 項目 | 管理方法 |
|---|---|
| 仕入記録 | 仕入伝票・原価表(年単位で保管) |
| 在庫数 | 定期棚卸(週次・月次。Excelで管理) |
| 在庫ロケーション | 各機械への投入記録(機械No×景品名×投入日) |
| 消費期限管理 | 食品景品は期限チェック(食品衛生法も並行遵守) |
| 在庫ロス | 不正取得・盗難の記録 |
これ全部やるとなると大変そうに見えるんですが、Excelシート1枚で全部回せます。「景品単価管理」「機械別景品投入履歴」「棚卸記録」の3シート構成がおすすめですね。
お客様への提供——苦情対応がカギ
1. 景品の説明
初回のお客様には景品の概要・取得方法・上限金額を説明してさしあげてください。「景品はすべて800円以下、現金交換はしておりません」を最初に伝えると、後でトラブルになりにくいんですよね。
2. 提供時の確認
クレーンゲームの取得景品はその場でお渡し。メダル交換景品はカウンターでお客様の目の前で確認しながら交換します。「あとから違う景品を持ってきた」と言われないようにする防衛策ですね。
3. 苦情対応
景品の品質・破損・期待と異なる等の苦情への対応ですね。これ、店員さんが一番怖がるところなんですが、フロー化しておけば怖くないです。
- 事実確認(破損の有無・取得直後かどうか)
- 明らかな不具合は交換(在庫がなければ別景品で対応)
- 客の主観に基づく苦情(「思っていたのと違う」)は店舗ルールに従う
- 悪質クレームは記録・必要に応じて警察相談
苦情対応は、「事実確認→対応判断→記録」の3ステップを毎回踏むのがコツです。記録があると後でクレーマー対策にもなります。
禁止事項——これをやったら一発アウト
- 現金・有価証券(商品券・QUOカード等)の景品提供
- 800円超の景品提供(仕入価格+税ベース)
- 景品のお客様同士の交換・売買の黙認
- 店舗が景品をお客様から買い戻し(換金類似行為)
- 客の射幸心を過度にあおる演出・宣伝
- 取得景品を景品とは別の物(限定アイテム等)と店内で交換する運用
5番の「射幸心をあおる演出」、これ意外と引っかかります。「次のプレイで絶対取れます!」「○万円相当のレアアイテム!」のような表示・声掛けですね。SNSや店内POPでもアウトです。
運用上のリスク——現場でよくあるトラブル
1. 景品争い
人気景品で客同士のトラブル、これ意外と多いんです。先着・整理券での秩序維持、SNSでの「○月○日入荷予定」告知などで分散させる工夫が必要です。
2. 偽景品の流通
非正規品の景品流通が稀にあります。版権ライセンス的にも問題なので、仕入先を信頼できる業者に限定してください。「安い」で飛びつくと後で大ごとになります。
3. 景品の店外売買
お客様が獲得景品を店外(フリマアプリ等)で売買することは店舗の管理外です。ただし、店舗が斡旋・推奨すると問題になります。「うちで取った景品はメルカリで○円で売れますよ」みたいな案内は絶対NG。
景品提供記録——必須ではないが備えておく
法律上の必須ではないんですが、トラブル防止と立入対策で記録しておくと安全です。
- 1日の景品提供数(機種別)
- 苦情・交換対応の記録
- 監視カメラ映像(おおむね30日間保存が目安)
- 従業員のシフト・対応者記録
FAQ
- Q1. 景品の在庫切れで客に金銭を返金する場合は?
- プレイ料金の返金は問題ありません。ただし「景品の代わりに現金提供」は現金景品提供に該当する恐れがあります。在庫切れの場合は別景品との交換、それも不可なら代金返金の順で対応してください。
- Q2. 景品の選択肢に商品券を入れたい。
- 商品券・QUOカード・図書カード等は禁止と判断されることが一般的です。物品ベースの景品で組み立ててください。
- Q3. 景品を客同士で交換しているのを見た。
- 店舗としては禁止する運用が望ましいです。明示の店内ルール(POPまたは利用規約)で規制してください。黙認していると「換金所類似」と判断されることがあります。
- Q4. 景品のサイズ違い(同じキャラのSサイズ・Lサイズ)はどう判定?
- それぞれの仕入価格で判定します。両方800円以下ならOK、Lサイズが超える場合は不可。同一機械に混在させる場合は要注意です。
- Q5. 子供向け景品と大人向け景品の別管理は必要?
- 風適法上の区分はありません。店舗運用としては年齢層別の景品配置・コーナー分けが一般的で、青少年保護条例との整合も取れます。
- Q6. 景品交換場所を別の場所(店外)に置くのは?
- 店外への景品の持ち出し・換金所類似運用は不適切で、パチンコの三店方式類似の運用は5号では認められないと考えてください。原則として店内のみで景品交換です。
- Q7. 景品を1ヶ月以上動かない場合は?
- 店舗判断で別の景品に入れ替えてかまいません。仕入価格は変わらないため、引き続き800円以下なら設置可能です。在庫を眠らせるより回転させたほうが売上にもプラスです。
- Q8. 限定景品の入荷を事前告知してSNSで集客するのはOK?
- 「入荷のお知らせ」程度なら可能ですが、「○万円相当」「絶対取れる」のような射幸心をあおる文言は避けてください。表現は「人気キャラクター入荷」「期間限定ラインナップ」程度に抑えるのが安全です。
まとめ・お問い合わせ
本記事の内容は、実務上の一般的な留意点を整理したものです。実際の景品ラインナップ・営業所所在地(管轄警察署)によって判断が変わる部分が多くあります。景品ルールの設計、立入対応マニュアルの整備、苦情対応フローの構築——どこから手をつければよいか分からない場合は、お気軽にお問い合わせください。事前にルールを整えておくことで、指導処分のリスクは大きく下げられます。
