業種カテゴリ|風俗営業5号(ゲームセンター等)クレーンゲーム専門店
クレーンゲーム専門店の許可要件
5号該当の判断基準・景品上限800円・
申請書類を行政書士が解説します。
「UFOキャッチャーだけの店なんですけど、許可って本当に必要なんですか?」——最近本当に増えてる質問なんです。コロナ後、空きテナントが増えたタイミングでクレーンゲーム専門店の出店ラッシュが来ていまして、ご相談の半分以上が「許可なしで始めちゃっていいですよね?」という流れで来ます。
結論から言うと、クレーンゲームを置いて景品を提供する時点で5号許可の対象になることがほとんどです。今日は「許可が必要な理由」「景品800円ルールの現場運用」「ゲーセンへの追加時の届出」を、現場の差戻し事例を交えながら整理しますね。
こんな方のための記事です
- クレーンゲーム専門店の開業を検討しており、許可の要否を確認したい方
- 5号許可の対象となる遊技機の判断基準を知りたい方
- 景品の上限金額・提供できる景品の種類を確認したい方
- 既存のゲームセンターにクレーンゲームを追加する際の手続きを知りたい方
- 未成年の入場制限・深夜営業の可否を確認したい方
そもそもなぜクレーンゲームに5号許可が必要なのか
「ぬいぐるみを取って渡すだけなのに、なんで風俗営業?」と思いますよね。実はここ、法律の文言を素直に読むと答えが出てくるんです。風適法第2条第1項第5号は5号営業を「スロットマシン・テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるものを備える店舗」と定義しています。
クレーンゲーム機(UFOキャッチャー等)は、お客様がお金を払ってアームを動かして、結果次第で景品が手に入る——この「結果次第で何かが手に入る」という構造が、射幸心をそそる遊技に該当するんですね。だから5号許可の対象になることがほとんどなんです。
ところで、「うちは確実に取れる設定だから射幸性ないですよ」と相談を受けることがあるんですが、これは逆に危ない発想です。確実取得を売りにすると、今度は「景品の販売」と判断され別の問題になります。設置前に必ず管轄警察署に事前相談、これが鉄則ですね。
景品ルール:上限800円と禁止品目——現場で一番モメる論点
5号許可の営業所で提供できる景品には金額上限があります。ここが一番よく聞かれるので丁寧に整理しますね。
景品の上限金額:概ね800円(税込)以内とされています。判定基準は「店舗が仕入れた価格(卸売価格)+消費税」が一般的。市場価格1,500円のフィギュアでも、仕入が税込800円以下なら設置できるという理屈です。ここ、よく読み違えられるんですよね。
提供できない景品:現金・有価証券(商品券・図書カード・QUOカード等を含むと判断されることが多い)は景品として提供できません(風適法第23条)。これは一発でアウトです。「賭博類似行為」として刑法の賭博罪に発展する事案もあります。
景品の管理:仕入伝票・納品書・景品単価リストは必ず保管してください。立入時に最初に求められる資料です。Excelで「機械No/景品名/仕入単価/税込価格/導入日」を一覧化しておくと、対応が格段に楽になります。
なお、パチンコ店(4号)の景品上限(概ね10,000円以内)とは金額が1桁違います。5号の800円ルールは、実務上かなり厳しい制約だと認識しておいてください。詳細は「クレーンゲームの景品上限800円の判定」の記事も参考にどうぞ。
5号許可の申請要件と必要書類——人・場所・構造の3点セット
クレーンゲーム専門店の5号許可申請は、ほかの風俗営業と同じく3要件(人的・場所的・構造的)をすべて満たす必要があります。1つでも欠けると不許可なので、物件契約前のチェックが超重要なんです。
人的要件:申請者・管理者に欠格事由(成年被後見人・禁錮以上の刑の執行終了から5年未満・暴力団関係者等)がないこと。同居の親族にも欠格事由がないことを確認します。
場所的要件:用途地域が5号営業を認める地域であること(商業地域・近隣商業地域などが基本)、保護対象施設(学校・病院・児童福祉施設等)から都道府県条例で定める距離以上離れていること。ここで物件をハズすと、契約済みでも許可が下りません。家賃数百万の損失事故、過去に何件も見てきました。
構造的要件:客室面積の基準・照度(おおむね10ルクス以上)・見通し(高さ1mを超える障壁物の原則禁止)・遊技機の配置・通路幅の確保(一般的には1.2m以上)。クレーンゲームの場合、機械の並びと通路幅の調整がかなりシビアです。
必要書類の主なもの:風俗営業許可申請書(別記様式第1号)/営業の方法(別記様式第2号)/住民票・身分証明書・登記されていないことの証明書・誓約書/営業所平面図・求積図・遊技機配置図(機種・台数・配置・通路幅を記載)/用途地域確認書類・周囲略図。申請手数料は24,000円が目安、標準処理期間は土日祝を除く55日です。実務上は書類補正で延びることが多く、2〜3ヶ月見ておくのが安全ですね。
未成年の入場制限と深夜営業——条例の上乗せに注意
5号許可の営業所には、未成年保護のための制限が複数乗っています。ここを軽視すると、開業後すぐに指導が来ますので要注意です。
18歳未満の入場制限:午後10時から翌午前6時の間は、18歳未満のお客様を営業所に立ち入らせることが禁止されています(風適法第22条)。ただ、ここが大事なんですが、都道府県条例で「保護者同伴でも22時以降不可」「16歳未満は18時以降不可」と上乗せされている地域が多いんですよ。東京・大阪・愛知・福岡など主要都市はほぼ条例が乗っています。
深夜営業の禁止:5号許可での深夜(午前0時〜午前6時)の営業は禁止されています(風適法第13条)。ただし都道府県条例で午前1時まで延長できる地域があります(繁華街限定など)。
広告・宣伝の制限:射幸心をそそる広告(「○万円相当の景品!」など)・過度な景品額の宣伝は指導対象になることがあります。SNS投稿でも同じ扱いになりますので、店舗の公式アカウントの運用ルールを最初に作っておいてください。
既存ゲーセンへの追加・変更——「届出だけでOK」とは限らない
「既にゲーセンの5号許可を持ってるので、クレーンゲーム追加するだけなら届出でいいですよね?」と聞かれます。基本的にはそうなんですが、内容によっては変更届出が必要になります。
変更届出が必要になる主な場面:
- 新たな種類の遊技機(認定外機種・新型機)を設置する場合
- 遊技機の台数が大幅に増加する場合(客室面積・通路幅に影響)
- 営業所の改修で平面図が変わる場合
- 管理者が変更される場合
届出の種類・様式・期限は都道府県・所轄警察署により異なることがあります。変更内容が軽微であれば届出不要の地域もありますが、事前確認なしで変更すると「無届変更」として指導対象になります。安易に進めず、必ず管轄に一報入れてください。
よくあるご質問(クレーンゲーム専門店・5号許可)
クレーンゲームだけの店舗は5号許可が必要ですか?
クレーンゲーム機を設置して客に景品を取らせる専門店は、風俗営業5号許可が必要になることがほとんどです。遊技機の型式・認定の有無や管轄警察署の解釈によって判断が異なることがありますので、設置前の事前相談が必須と考えてください。
景品の上限金額はいくらですか?
5号許可の営業所で提供できる景品の上限は概ね800円(税込)以内とされています。判定は店舗の仕入価格(卸売価格+消費税)が基準です。都道府県の条例・規則で詳細が定められていることがあり、現金・有価証券(商品券・QUOカード等)の景品提供は風適法第23条で禁止されています。
ゲームセンターにクレーンゲームを追加する場合はどうなりますか?
既存の5号許可で営業しているゲームセンターにクレーンゲームを追加する場合は、遊技機の変更届出が必要になることがあります。新たに設置する遊技機が認定・型式検定を受けているか、客室面積・通路幅に影響しないかの確認が必要です。
18歳未満はクレーンゲーム専門店に入れますか?
風適法第22条により、5号営業所への18歳未満のお客様の立入りは午後10時から翌午前6時の間は禁止されています。さらに都道府県条例で「保護者同伴でも22時以降不可」「16歳未満は18時以降不可」と上乗せ規制が入っている地域が多いので、所在地の条例を必ず確認してください。
クレーンゲームに設置できる景品はどんなものですか?
ぬいぐるみ・フィギュア・日用品・食品等が一般的です。景品の上限金額(概ね800円以内)を守る必要があります。現金・有価証券・過度に高価な商品は景品として提供できません。食品を入れる場合は食品衛生法の対応・賞味期限管理が別途必要です。
クレーンゲームを飲食店の中に置く場合はどうなりますか?
飲食店の中にクレーンゲームを設置する場合は、飲食店営業許可とは別に5号許可が必要になることがあります。また飲食店と遊技施設が混在する場合の構造設備基準(客室面積・見通し等)の適用についても確認が必要で、レイアウトによっては許可が下りにくいケースもあります。
商業施設の一角にクレーンゲームコーナーを作る場合は?
ショッピングモール等の一角に独立したクレーンゲームコーナーを設ける場合も、独立した営業所として5号許可が必要になることが一般的です。区画の独立性・出入口・管理者配置をどう設計するかで申請の難易度が大きく変わりますので、出店前の早い段階で相談してください。
無人運営(オーナー1人+無人時間あり)は可能ですか?
管理者の常駐は5号営業の要件として求められることが多く、完全無人運営は基本的に難しいと考えてください。「営業時間中は管理者が在席」「不在時は営業停止」の運用が原則です。最近の無人クレーンゲーム店舗のトラブル増加を受けて、管轄警察署の運用がより厳格になっている地域もあります。
