業種カテゴリ|深夜酒類提供飲食店
深夜酒類届出と1号許可の
境界線5項目を、
行政書士が実例で整理します。
「うちは深夜酒類届出?それとも1号許可?」――業態判定で最も多い相談です。
判定を誤ると無許可営業の摘発リスクが残ります。両者は接待・営業時間・費用・処理期間・運用の5項目で明確に違い、業態に合った許認可を選ぶことが運営の安定性を決めます。
この記事では、5項目の比較と判定フローを実務目線で解説します。
こんな方のための記事です
- 新規開業で許認可選定中の方
- 現在の店舗が正しい許認可で運営されているか確認したい方
- 深夜酒類届出で開業したが接待行為が増えてきた方
- 1号許可で開業したが深夜営業したい方
- 業態切替を検討中の方
- 従業員教育として両者の違いを共有したい方
境界線1:接待行為の有無
最大の違いは接待行為の有無。
1号許可:接待行為が許可される(むしろ前提)。客の隣に座って継続的に会話、カラオケのデュエット、客の身体への接触等が可能。
深夜酒類届出:接待行為は禁止。客の隣に座って継続会話・デュエット・身体接触等は無許可営業として摘発リスク。カウンター越しの注文取り・短時間の世間話のみが許される。
業態判定の核心:『接待行為があるなら1号許可、なしなら深夜酒類届出』。両者は同時に持てません(接待は深夜禁止のため)。
「ちょっと隣に座るだけ」「常連客とおしゃべりするだけ」も接待認定リスクあり。判断に迷うなら所轄警察署事前相談を。
境界線2:営業時間
1号許可:原則0時まで(条例で深夜延長が認められる地域あり、東京都心は1時まで等)。深夜帯(0時超え)の接待は構造上禁止。
深夜酒類届出:0時を超えて午前6時まで営業可能。深夜営業がメイン業態。
実務的な選択軸:『深夜まで営業したいなら深夜酒類届出、接待で客単価を上げたいなら1号許可』。両立は不可能なため、事業計画で決定します。
| 営業時間帯 | 1号許可 | 深夜酒類届出 |
|---|---|---|
| 6時〜0時 | 可(接待OK) | 可(接待禁止) |
| 0時〜6時 | 原則禁止 | 可(接待禁止) |
| 接待OK時間 | 0時まで | なし |
境界線3:申請費用と標準処理期間
1号許可:手数料24,000円、標準処理期間55日(土日祝除く)。書類量も多く、構造設備の現地確認立会も必要。
深夜酒類届出:手数料9,600円程度、標準処理期間10日程度。書類量も少なく、構造設備の現地確認はあまり厳格ではない。
申請難易度は圧倒的に深夜酒類届出のほうが楽。費用も期間も少なく、開業日を急ぐ場合は深夜酒類届出が有利です。
1号許可は『接待で客単価を上げる』ことが事業計画の中心になければ、選択する理由がありません。深夜酒類届出で十分なケースが大半です。
境界線4:構造設備基準
1号許可:客室面積16.5平米以上・見通し障壁1m以下・照度5ルクス超等の細かい基準。図面段階のチェックが厳格で、内装工事費用も嵩む。
深夜酒類届出:類似の構造基準はあるものの、許可制ほど厳格ではなく届出後の指導で対応するレベル。客室面積・照度等の基準も緩やか。
構造設備のコストは1号許可のほうが大きい。内装工事費の追加・図面修正・現地確認立会等で、初期費用が深夜酒類届出より50〜200万円高くなることもあります。
境界線5:運用ルールの厳しさ
1号許可:管理者選任義務、料金表示義務、従業員名簿、年齢確認、店内表示、警察巡回対応等、運用ルールが厳格。日々の運用負担が大きい。
深夜酒類届出:上記ルールの一部は適用されますが、管理者選任義務はなし、警察巡回も1号より緩やか。運用負担が比較的軽い。
運営の手間と運営コストは深夜酒類届出のほうが安い。長期営業の観点でも、深夜酒類届出で対応できる業態なら届出を選ぶのが合理的です。
業態が両者の間にある場合は、運営の手間と将来計画を踏まえて選択。当事務所では事業計画段階から最適な許認可選定をサポート可能です。
よくあるご質問(深夜酒類届出と1号許可の違い)
深夜酒類届出と1号許可の最大の違いは?
接待行為の有無です。1号は接待OK、深夜酒類届出は接待禁止。両者は同時に持てません。
両者を併用できますか?
できません。接待行為は深夜禁止のため構造上両立しません。
申請費用はどちらが安い?
深夜酒類届出が安い。手数料は1号許可24,000円に対し深夜酒類届出9,600円程度。
標準処理期間は?
1号許可は55日、深夜酒類届出は10日程度。深夜酒類届出のほうが圧倒的に早く受理されます。
構造設備基準はどちらが厳しい?
1号許可。客室面積16.5平米以上・見通し障壁1m以下等の細かい基準があり、図面段階のチェックが厳格です。
業態切替は可能?
可能。現許可・届出の廃止と新許可・届出を並行で行います。新規申請と同等の費用と期間がかかります。
判断に迷う場合は?
所轄警察署生活安全課保安係に事前相談を。営業実態を口頭で説明すれば、どちらが必要か助言してもらえます。
