業種カテゴリ|風俗営業3号(個室型飲食店)構造設計
3号許可の個室区画の設計ポイント
仕切り高さ・扉・面積5平米の計算方法と
申請図面の作り方を現場目線でお話します。
「内装屋さんに任せていたら基準を満たしていなかった」——3号許可の申請で本当によくあるご相談なんです。
原因はほぼ一つで、内装設計の打合せ時点で「許可基準」を共有していないんです。仕切りの高さは何センチがいいのか、扉は要るのか要らないのか、5平米はどう測るのか。ここを行政書士と内装屋さんと一緒に詰めておくと、設計の手戻りが激減します。
この記事では、私が現場で内装業者さんに渡しているチェック項目をそのまま会話形式でお伝えします。読み終わった瞬間、施工図面を見直したくなると思います。
こんな方に読んでいただきたい記事です
当てはまる方は最後まで読んでみてください。途中で「うちはどうかな」と思ったら、いつでも無料相談を使っていただければと思います。
- 3号許可の申請に向けて個室・ボックス席の内装設計を進めている方
- 仕切りの高さ・素材・形状の判断基準を知りたい方
- 5平米の計算方法と求積図の作り方が分からない方
- 断面図や立面図が必要かどうか確認したい方
- 内装業者に指示を出す前に基準を頭に入れたい方
仕切りの基準を最初に整理しますね
ここが大事なんですが、3号許可で「個室または個室に準じた区画」と認められるには、仕切りが一定の高さ以上あることが必要です。風適法の条文上は「客席が他から見通すことができない構造」とされていて、これを満たす最低高さの解釈は都道府県・所轄警察署で異なることがあります。
現場で目安にしている数字をお伝えしますね。お客様がソファに座った時の目線高さが床から100〜110cm程度です。だから仕切りが床から150cm以上あれば、座ったお客様の上半身は外から見えなくなることが多いんです。私のお客様にもこの150cmラインで設計いただくことが多いです。
素材は何でも構いません。木材、スチール、不透明ガラス、厚手の布(カーテン)でも大丈夫です。ただ、透明ガラスだけだと「外から見える」と判断されるので、必ずすりガラスにするかフィルムを貼ってください。これね、見栄え重視で透明ガラスのまま進めてしまうケースが意外と多くて、後から剥がす羽目になります。
ところで、仕切りを天井まで完全に閉じる「完全密室型」を考えている方は、ちょっと注意が必要なんです。建築基準法の採光・換気要件と、消防法の避難経路(通路幅60〜80cm以上の確保)も同時に満たさないといけません。完全密室にすると換気扇の追加工事が必須になるので、コストが跳ね上がることがあるんです。
扉は必要?内鍵の注意点に注意してください
「個室なんだから扉は必須です?」とよく聞かれるんですが、実は法令上、扉が必須という明文はないんです。仕切りが150cm以上あれば扉なしでも3号該当になり得ます。
ただし、扉を付ける場合に絶対避けたいのが内鍵なんです。内側から施錠できると、警察官が立入調査で中を確認できなくなりますよね。そうすると「監視可能な構造ではない」と判断されて差戻しになることがあるんです。扉付きにする場合は内鍵なし、図面にも「内鍵なし・ノブのみ」と必ず明記してください。
カーテン(のれん)を出入口に付ける場合は、扉と扱われないことが多いです。ただし、生地が薄くて外から透けるカーテンだと「不透明性」の要件を満たさないと判断されることがあります。厚手の二重カーテンや遮光カーテンを選んでください。
こんな現場がありました。東京都内のあるカップル喫茶さんで、内装屋さんが「お洒落だから」と内側にも鍵がかかる扉を付けたんです。申請段階で警察に「これは個室として運用するなら問題があります」と言われ、急遽内鍵を撤去する追加工事が発生しました。設計打合せの時点で行政書士が入っていれば防げた失敗です。
5平米の計算方法と求積図の作り方
「5平米って、どこからどこまでを測るんですか?」というご質問にお答えしますね。3号許可の個室(ボックス)は、1室ごとに内法面積5平米以上が目安です。内法面積は壁の内面から内面までを計測した床面積で、壁の厚みは含みません。
計算例を挙げますね。縦2.0m×横2.5m=5.0平米(最低基準ちょうど、ギリギリです)。縦2.3m×横2.3m≒5.29平米(余裕あり)。縦2.5m×横2.5m=6.25平米(推奨レベル)。出入口の扉部分の幅(80cm程度)は面積に含めて構いません。ただし内側に出っ張った柱がある場合は、柱の部分を差し引きます。
求積図は、各ボックスを番号で示して縦寸法×横寸法の計算式と面積を記載します。不整形なボックス(L字型など)は三斜法(三角形に分割して計算)で算出します。図面の片隅に全ボックスの面積一覧を表形式で載せると審査がスムーズですよね。
| ボックス番号 | 縦×横 | 面積 | 基準 |
|---|---|---|---|
| 例1 | 2.0m × 2.5m | 5.00平米 | ギリギリ |
| 例2 | 2.3m × 2.3m | 5.29平米 | 余裕あり |
| 例3 | 2.5m × 2.5m | 6.25平米 | 推奨 |
ボックスが多い店舗(10ボックス以上)だと、全ボックスの求積で書類作成に時間がかかります。私のお客様で20ボックス以上ある店舗を担当した時は、CADで全ボックスを引き直すところからのスタートでした。当事務所では採寸から図面作成まで一括で代行しています。
申請図面に書く項目と、断面図の必要性
申請図面に書くべき項目を一気にお伝えしますね。平面図に必要なのは、縮尺(1/50〜1/100)、壁・柱・出入口の位置、各ボックスの番号と配置、ボックス仕切りの位置と材質、通路幅、トイレ・厨房・カウンターの配置、照明器具の位置、消防設備(スプリンクラー・消火器)の位置です。
ところで、平面図だけで「仕切りの高さ」がわかるかというと、わからないんですよね。だから断面図(ボックスを横から切った図)を必ず添付します。法令上の必須ではないんですが、事実上必須なんです。断面図には仕切りの高さ、扉の高さ、天井の高さを寸法で明示します。これを最初から出しておくと、審査で「断面図ください」と差戻されずに済みます。
内装屋さんに施工図を作ってもらう時に、行政書士が要件(仕切り150cm以上、ボックス5平米以上)を事前に共有しておくと、設計変更ゼロで一発OKになります。私のお客様の現場では、平均して打合せ1〜2回でこの状態に持っていきます。設計の段階からご相談いただければ、無駄な工事費が出ません。
よくあるご質問(3号許可・個室区画設計)
3号許可の個室(ボックス)の面積は何平米以上必要ですか?
各ボックスの内法面積は5平米以上が目安です。例えば縦2m×横2.5mで5平米になります。柱の出っ張りや出入口の扉を除いた有効面積で計算します。ギリギリ5平米だと内装施工誤差で4.9平米になることもあるので、5.3平米くらいで設計するのが安全策ですよね。
仕切りの高さはどのくらい必要ですか?
着席したお客様の上半身が外から見えない高さが目安で、現場では床から150cm以上が一つのラインです。ただし都道府県・所轄警察署で解釈が異なることがあります。設計段階での事前相談を強くお勧めします。
扉(ドア)は必須ですか?
扉は必須ではありません。仕切りが150cm以上あれば扉なしでも3号該当になり得ます。扉を付ける場合は内鍵なしが必須で、図面に「内鍵なし・ノブのみ」と明記しましょう。
断面図は申請に必要ですか?
法令上の必須ではありませんが、仕切り高さを証明するため事実上必須なんです。平面図だけだと審査側から「断面図を出してください」と指摘されることが多いので、最初から添付するのが鉄則です。
ボックス内の間取りに制限はありますか?
ソファ・テーブルの配置は自由です。ただし、見通しを妨げる高さ1m超の棚を置くと別の問題(防火・衛生)が発生することがあります。照度は5ルクス超の基準を満たす必要があるので、暗くしすぎないよう注意してくださいね。
ボックス数に上限はありますか?
法定の上限はありませんが、ビル全体の消防法上の収容人員計算に影響します。ボックスが多いと自動火災報知設備や誘導灯の設置義務が変わることがあります。10室以上を計画する場合は消防署への事前相談もセットで行うのが安全です。
カーテンだけで仕切るのはアリですか?
厚手の不透明カーテンで高さ150cm以上を確保できれば、視線遮蔽としては機能することがあります。ただし側面・背面は壁で囲み、出入口だけカーテンというパターンが一般的です。カーテン単体で四方を囲むのは、見通し基準の評価が分かれることがあるので所轄に確認してください。
透明ガラスの仕切りはダメですか?
透明ガラス単体では「外から見える」と判断されることが多いです。すりガラスにするか不透明フィルムを貼ることで対応できます。デザイン重視で透明にしたい場合は所轄警察署に事前確認しましょう。
