業種カテゴリ|風俗営業3号(個室型飲食店)業態境界線
風俗営業3号と性風俗の境界線
個室型飲食店でどこからが違法になるか
適法ラインを現場目線でお話します。
「個室カフェで添い寝オプション付けたいんですけど、これって法律的に大丈夫ですか?」——時々、本気で相談に来られる方がいらっしゃるんです。
結論からお伝えします。3号許可の範囲では、性的接触を伴うサービスは一切提供できません。仮に提供した瞬間、無許可の性風俗関連特殊営業として処分対象になり得ますし、最悪の場合は売春防止法や児童買春・児童ポルノ禁止法まで絡んできます。
この記事では、どこからが違法ラインなのか、どんな運営をすれば3号で安全に営業できるのかを、行政書士の現場目線で会話形式でお話します。コンセプトカフェ・個室型店舗のオーナーさんは必ずお読みください。
こんな方に読んでいただきたい記事です
当てはまる方は最後まで読んでください。サービス設計の前にこそ読んでおきたい内容なんです。
- 個室型カフェ・コンセプトカフェの開業を検討中の方
- 3号許可の範囲でどんなサービスを提供できるか確認したい方
- 添い寝・密着・マッサージ等の可否を知りたい方
- 性風俗関連特殊営業との違いを整理したい方
- 既存店舗の運用が適法か不安な方
3号許可で「OK」「NG」のラインを最初に整理します
ここが大事なんですが、3号許可は「個室で飲食と会話をする業態」を許可しているものです。性的サービスは一切含みません。だから「飲食と会話の延長線上にあるかどうか」が判断の基準になります。
適法サービスの例です。個室内での飲み物・軽食の提供、会話(接待行為にあたらない範囲)、トランプやUNO等のカードゲームを一緒に楽しむ、ボードゲーム、コスプレコンセプトでの接客、写真撮影(非性的な内容)。要するに「飲食店として普通の範囲」の延長です。
3号許可の範囲外になる主なサービスです。性的接触(上半身・下半身への接触)、添い寝、抱擁、手つなぎが性的好奇心をそそる目的で提供される場合、マッサージ(医療行為または性的サービスとみなされる場合)、脱衣を伴うサービス。これらは3号許可では絶対にできません。
ところで、本当にグレーで判断が難しいのが「手つなぎ」「頭を撫でる」「ハグ」のような軽微な接触です。これらが「単なるご挨拶」レベルなら問題ないことが多いんですが、「性的好奇心に訴える態様」で提供されると性風俗関連特殊営業に転化します。客単価設定(接触1回○円みたいな価格表)があると、それだけで「性的サービスを売り物にしている」と判断されることがあるんですよ。判断が難しい場合は所轄警察署への相談を強く推奨します。
性風俗関連特殊営業ってどんな営業?5区分を整理します
「性風俗関連特殊営業」という言葉、聞き慣れない方も多いと思うんです。風適法第2条第6項〜第10項に定められた5区分の営業の総称で、3号許可(風俗営業)とは全く別の法体系です。届出制で、許可制ではありません。
1:店舗型性風俗特殊営業(第2条第6項)——ソープランド・ファッションヘルス等、店舗で性的サービスを提供する営業です。
2:無店舗型性風俗特殊営業(第2条第7項)——デリヘル・出張マッサージ等、お客様の指定場所でサービスを提供する営業です。
3:映像送信型性風俗特殊営業(第2条第8項)——インターネットでアダルト映像を送信する営業です。
4:店舗型電話異性紹介営業(第2条第9項)——いわゆるテレフォンクラブですね。
5:無店舗型電話異性紹介営業(第2条第10項)——出会い系電話サービス等です。
ここが大事なんですが、3号許可の個室で性的接触サービスを提供すると、実質的に1号(店舗型)または2号(無店舗型)に近い業態をしていることになります。これらは届出を出していないと運営できませんし、しかも住居系用途地域や保護対象施設の近くだと届出自体が禁止されている場合があります。要するに「届出を出そうとしてもそもそも出せない地域」が多いんです。だから「届出すれば大丈夫」という発想自体が現実的でないことが多いんですよね。
違法サービスが発覚したらどうなる?3つのリスクをお伝えします
3号許可を受けた店舗で違法サービスが提供されると、複数の法的リスクが同時発生します。これね、本当に怖いんです。
リスク1:風適法上の処分。3号許可の取消し(風適法第26条)。取消し後は5年間、再申請できません。摘発時の罰則は2年以下の懲役または200万円以下の罰金です。許可取消しは事業の即終了を意味します。
リスク2:刑事法上の処分。売春防止法、児童買春・児童ポルノ禁止法の適用が並行して走ることがあります。これらは個人の刑事罰に直結します。前科が付くと、その後の人生設計に大きく影響しますよね。
リスク3:労働法上の処分。従業員に違法サービスを強要した場合、強要罪や労働基準法違反、職業安定法違反が問われ得ます。「うちは強要してない、本人がやってる」と仰る方もいるんですが、使用者責任の観点から「監督すべきだった」として責任を問われます。
ここで本当に怖いのが、「オーナーは知らなかった」というケースです。従業員が独自にサービスを上乗せしていた場合でも、管理責任(使用者責任)が問われる可能性が高いんです。だから、従業員への教育、服務規程の整備、定期的な店内点検は経営者の必須業務です。月1回の店長面談で「サービス範囲の逸脱がないか」を確認するルールを作ることを、私のお客様にはお勧めしています。
境界線で迷ったら|現場での判断ステップ
「うちのサービス、これって3号で大丈夫なのかな?」と迷った時の判断ステップをお伝えしますね。
ステップ1:サービスを言語化する。「お客様の隣に座って○○分会話」「ハグサービス(1回○円)」のように、提供している具体的なサービスを文字で書き出します。曖昧なまま「雰囲気サービス」とせず、明文化することが第一歩なんです。
ステップ2:身体接触の有無を確認する。身体接触があるなら、それが「単なる挨拶レベル」か「価格表に載っているサービス」かで分けます。後者は性的サービスとみなされる可能性が高いです。
ステップ3:所轄警察署に事前相談する。グレーな場合は必ず所轄の生活安全課(風俗営業担当)に相談してください。匿名相談も可能なところが多いです。「具体的にこういう運営を考えていますが、3号で大丈夫ですか」と聞けば、ダメな部分を指摘してもらえます。
業態の適法性判断が難しい時は、開業前に所轄警察署または行政書士に相談するのが最善です。後から「知らなかった」では本当に取り返せないリスクがあるので、これだけは絶対に省略しないでください。
よくあるご質問(3号許可と性風俗の境界線)
3号許可の個室型飲食店でどこからが性風俗になりますか?
個室内で従業員がお客様に対して性的な接触サービスを提供した時点で、風適法上の性風俗関連特殊営業または売春防止法違反の対象になり得ます。飲食提供のみで性的サービスが一切ないことが3号許可の適法営業の前提なんです。
3号許可の個室で「添い寝・マッサージ」はどうなりますか?
添い寝や身体的密着を伴うサービスは、性的好奇心をそそる行為として性風俗関連特殊営業に該当する可能性があります。3号許可ではできないサービスですよね。
性風俗関連特殊営業の届出と3号許可はどう違いますか?
性風俗関連特殊営業は届出制で、3号許可は許可制です。さらに性風俗関連特殊営業は住居系用途地域や保護対象施設近くでは届出自体が禁止されることがあります。同じ営業所での二重保有もできません。
3号許可店で違法なサービスが提供された場合の罰則は?
3号許可の取消し(風適法第26条)に加え、売春防止法や児童買春禁止法等の刑事法規が適用されることがあります。オーナーが知らなかった場合でも管理責任が問われ得ます。
3号許可の範囲で提供できるサービスは何ですか?
個室内での飲食・会話・性的接触を伴わないゲーム等が範囲です。コンセプトやドレスコードで雰囲気を演出することは問題ありませんが、性的接触サービスは一切禁止です。
3号許可と接触クラブ届出の二重取りはできますか?
同一の営業所で3号許可と性風俗関連特殊営業届出を同時に保有することは認められません。業態をいずれかに明確に区分して申請する必要があります。
「ハグ」「手つなぎ」程度ならOKですか?
挨拶レベルの軽微な接触であれば許容範囲とされることが多いですが、価格表(ハグ1回○円等)に掲載していると性的サービスを売り物にしていると判断されることがあります。安全側に振るなら接触系のメニュー化は避けるべきですよね。
従業員が独自に違法サービスを始めた場合の責任は?
オーナーが知らなかった場合でも使用者責任が問われる可能性が高いです。服務規程の整備、定期的な店内点検、月1回の面談などで「サービス範囲の逸脱がないか」を確認する仕組みが現場では必須なんです。
