業種横断|人的要件・欠格事由
風俗営業許可の欠格事由は?
前科・破産歴があっても
取れるケースを、
行政書士が完全解説します。
「過去に前科がある」「破産歴がある」「執行猶予中だった」――こうした事情があると、風俗営業許可は最初から諦めるべきと考える方が多いのですが、多くのケースで申請は可能です。風適法第4条の欠格事由は法律で限定列挙されており、該当しなくなる時点(5年経過・復権)が条文で明確に定められているため、自分の状況を正しく判定できれば申請可否は機械的に分かります。
この記事では、欠格事由の全項目・5年経過の起算ルール・復権の確認方法・自己判定の3ステップを実務目線で整理します。「自分が対象かどうか」を1ページで判定できる構成にしました。
こんな方のための記事です
- 過去に前科があり、風俗営業許可が取れるか不安な方
- 過去に自己破産を経験し、申請可能か確かめたい方
- 執行猶予期間中・期間満了直後で、5年経過の起算が分からない方
- 法人で申請するため、役員全員の欠格事由非該当を確認したい方
- 管理者候補者の身分適格性を確認したい方
- 過去に暴力団関係があり、現在は離脱している方
風俗営業許可の欠格事由は何項目?風適法第4条の全項目を整理する
風適法第4条は欠格事由を限定列挙しています。法律で「これに該当する者には許可しない」と明記されているため、運用裁量はありません。該当すれば一律に不許可、該当しなければ申請可能です。
| 項目 | 内容 | 確認資料 |
|---|---|---|
| 1 | 成年被後見人・被保佐人 | 登記されていないことの証明書(法務局) |
| 2 | 破産者で復権を得ない者 | 身分証明書(本籍地市区町村) |
| 3 | 禁錮以上の刑、執行を終わり等の日から5年未経過 | 申請者の記憶+執行終了日計算 |
| 4 | 特定法(風適法・刑法第175条等)の罰金以上で5年未経過 | 同上 |
| 5 | 集団的・常習的暴力的不法行為の相当の理由がある者 | 所轄警察署の調査 |
| 6 | 暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年未経過 | 所轄警察署の調査 |
| 7 | 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者 | 住民票(生年月日) |
| 8 | 過去の風俗営業許可取消しから5年未経過 | 所轄警察署の照会 |
8項目のうち、項目1・2・7は身分証明書と登記されていないことの証明書で機械的に確認できます。項目3・4は申請者本人の記憶と執行終了日計算で確認、項目5・6・8は所轄警察署側の照会で確認されます。
どれにも該当しなければ、人的要件はクリア。法人申請の場合は役員全員、選任する管理者にも同じ8項目が適用されます。
「5年経過」の起算日はいつ?よく読み違いされる計算ルール
欠格事由の多くは「○○の日から5年を経過しない者」という形で規定されています。この5年の起算日が間違いやすいポイントです。
- 実刑(懲役・禁錮を実際に服役):刑の執行を終わった日(出所日)から5年
- 罰金刑:納付日から5年
- 執行猶予付き判決:執行猶予期間満了日が「執行を受けることがなくなった日」となり、その日から5年(罪の種類による・取消しがなければ猶予期間満了で前科の効力が消える)
- 時効による消滅:時効完成日から5年
- 恩赦:恩赦の効力が生じた日から5年
判決日からではない点に注意。判決から実刑までの間(控訴・上告期間)、執行猶予期間中、罰金未納期間中はカウントされません。執行猶予中の方は、猶予期間が満了するまで欠格事由に該当し続けます。
5年経過の計算は、刑執行終了証明書(検察庁発行)や判決確定証明書で正確な日付を確認できます。記憶だけで判断せず、書面確認をお勧めします。
破産歴がある場合の「復権」とは?申請可能になる時点
破産手続を経験した方が気になるのが「復権」です。破産法では、破産手続開始の決定を受けた者は、復権を得るまで一部の資格制限を受けます(風俗営業許可・士業登録・各種免許等)。
復権は、(1)免責許可の決定が確定した時、(2)同時廃止の決定が確定した時(一定の場合)、(3)10年経過等によって自動的に発生します。実務では、自己破産の大半が免責許可で終わるため、免責許可確定の時点で復権すると考えてほぼ間違いありません。
復権の確認は、本籍地市区町村で取得する身分証明書で行います。「破産宣告(または破産手続開始の決定)の通知を受けていない」と記載されていれば、復権済みです。破産歴の記載が消えている=風俗営業許可の人的要件はクリア、という整理になります。
免責不許可(ギャンブル等の浪費が原因の場合等)で破産手続が終了した方は、10年経過まで復権しません。免責の有無は破産時の裁判所書類で確認できます。
管理者・法人役員にも適用される。1人でもNGなら不許可
欠格事由は申請者本人だけでなく、法人申請の場合は役員全員、選任する管理者にも適用されます(風適法第4条第2項・第24条準用)。
よくある事故は、(1)役員1人が過去に飲酒運転で罰金刑(道路交通法違反)を受けて5年未経過、(2)管理者候補者が破産歴の復権前、(3)役員に元暴力団員(離脱から5年未経過)がいるケース。1人でも該当者がいれば、その人を交代しない限り不許可となります。
ただし、道路交通法違反の罰金刑は欠格事由に含まれません(風適法第4条が指定する特定法ではないため)。風適法・刑法第175条(わいせつ物頒布)・売春防止法・職業安定法(無許可有料職業紹介)・出資法・労働基準法等の特定法違反の罰金刑のみが対象です。罪種を正確に確認することが重要です。
法人申請の場合は、申請前に役員全員に身分証明書・登記されていないことの証明書を取得してもらい、欠格事由非該当を確認します。1人の漏れが申請全体を不許可にします。
自己判定3ステップ|自分が欠格事由に該当するか確かめる
自分の人的要件をセルフチェックする3ステップを整理します。所轄警察署事前相談や行政書士相談の前に、自分でも判定の見当をつけておくと話が早いです。
- STEP1:身分証明書を取得。本籍地市区町村で発行(手数料300円程度・郵送請求も可)。「破産宣告の通知を受けていない」「禁治産・準禁治産の宣告通知を受けていない」「後見の登記の通知を受けていない」の3点が記載されていればクリア。
- STEP2:登記されていないことの証明書を取得。法務局(東京法務局後見登録課または各地方法務局)で発行(収入印紙300円・窓口受取または郵送)。「成年被後見人・被保佐人として登記されていない」と記載されていればクリア。
- STEP3:前科の有無を自己確認+日付計算。前科がある場合は、刑執行終了証明書または判決確定証明書で正確な日付を確認し、5年経過しているかを計算。執行猶予期間中の方は猶予期間満了を待つ。
3ステップすべてクリアなら、人的要件は問題ありません。ただし、項目5・6(暴力的不法行為・暴力団関係)は所轄警察署側の調査で確認されるため、自己判定では完結しません。過去にこれらの関与があった方は、行政書士または所轄警察署事前相談で慎重に確認してから申請を進めてください。
前科の有無は本人にしか正確に分からないため、申請者の自己申告が起点になります。隠したまま申請して後から発覚すると、不許可だけでなく虚偽申請として刑事責任を問われる可能性があります。
よくあるご質問(風俗営業許可 欠格事由)
前科がある場合は風俗営業許可を取れませんか?
禁錮以上の刑、または特定の風適法・刑法第175条・売春防止法等の罰金以上の刑に処せられ、執行を終わり等の日から5年を経過しない方は欠格事由に該当します。逆に5年が経過していれば申請可能です。
破産歴がある場合は申請できますか?
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者は欠格事由ですが、復権後は申請可能です。復権の確認は本籍地の市区町村で取得する身分証明書で行います。免責許可の確定で復権するため、過去に破産経験があっても多くの方は申請可能です。
執行猶予中でも申請できますか?
執行猶予期間中は欠格事由に該当します。執行猶予期間が満了すれば、その日から「執行を受けることがなくなった日」となり、罪の種類によっては前科の効力が消滅します。期間計算は誤りやすいので、行政書士で確認することをお勧めします。
管理者にも欠格事由は適用されますか?
はい、管理者は申請者と同じ風適法第4条が適用されます。破産歴・5年未満の前科がある方は管理者になれません。法人申請の場合は役員全員にも同じく適用され、1人でも欠格事由に該当する役員がいれば不許可となります。
自分が欠格事由に該当するか判定する方法は?
3ステップで判定できます。(1)本籍地市区町村で身分証明書を取得、(2)法務局で登記されていないことの証明書を取得、(3)前科は本人の記憶確認+執行終了日の計算。微妙なケースは所轄警察署事前相談か行政書士へ。
5年経過の起算日はいつですか?
刑の執行を終わった日(実刑なら出所日、罰金なら納付日)または「執行を受けることがなくなった日」(執行猶予なら猶予期間満了日)です。判決日からではないことに注意。実務では刑執行終了証明書等で確認します。
暴力団関係で5年経過していれば申請できますか?
暴力団員でなくなった日から5年を経過していれば法律上の欠格事由は外れますが、所轄警察署の調査で過去の関与が確認されると、人物適格性の総合判定で不許可となるケースがあります。詳細は行政書士へご相談ください。
