業種カテゴリ:性風俗関連特殊営業/最終更新:2026-05-10
デリバリーヘルスのHP規制・広告規制
「HP制作会社が作ってくれた原稿、これって警察的にOKなんでしょうか?」——デリヘルの開業準備でこのご相談が来るタイミング、決まって物件契約後・届出直前です。HPはお客様の入り口ですから、ここで規制違反があると、せっかく届出が通っても営業初日から指導対象になります。事前にラインを知っておけば、HP制作会社にも明確に「これは書かないで」と伝えられるんですよ。
このページでは、デリバリーヘルスのHP・広告で「許される表現」と「禁止される表現」を、行政書士の現場目線でお伝えします。私が実際に警察署で指導を受けたお客様のケース、ポータルサイトに掲載を断られた事例も、差し障りない範囲で共有しますね。
結論からお伝えします
結論はシンプルなんです。デリバリーヘルスのHP・広告は「具体的なサービス内容の描写禁止」「未成年を連想させる表現禁止」「料金の明示」「届出済の表示」の4つが土台になります。これに各都道府県条例の上乗せがかかります。違反は青少年保護条例・風適法・特商法での処分対象です。
ところで、「規制が厳しすぎて何も書けない」と思い込んでいませんか。実は、適切な表現で書けばちゃんと集客できるHPは作れます。私のお客様の中には、規制ラインを意識した上でアクセス数を2倍にした方もいるんですよ。鍵は「具体描写の代わりに、お客様が安心できる情報」を入れることです。
背景・前提:規制は3層構造
ここを理解しておくと、HP制作で迷ったときに「どの法律で見ればいいか」が分かるんですよね。無店舗型性風俗特殊営業の広告規制は、風適法第31条の2第3項・第31条の3、各都道府県条例(青少年保護育成条例)、特定商取引法(オンライン取引の表示義務)の3層で規制されています。
3層あるということは、1つクリアしても他で引っかかることがある、ということなんです。たとえば「料金を全て明示した」(特商法OK)でも、「具体的なサービス行為を描写した」(風適法・条例NG)なら処分対象です。HPを公開する前に、3層全部のチェックが必要です。
禁止される表示
まずは「絶対に書いてはいけない」項目を見てください。これは警察署で指導を受ける典型例です。
| 禁止表示 | 根拠 |
|---|---|
| 具体的なサービス行為の描写 | 風適法・条例 |
| 性器・性行為の写真・イラスト | わいせつ物頒布罪・条例 |
| 未成年を連想させる表現(学生服等) | 児童ポルノ法・条例 |
| 違法行為を連想させる表現 | 条例 |
| 過度に扇情的な表現 | 青少年保護条例 |
表を見て「これくらい当たり前」と思うかもしれませんが、現場でいちばん多いのは「学生服風」「制服風」「ロリ系」というキャストカテゴリ表記です。これ、未成年連想で条例違反になることがあるんですよ。「お姉さん系」「お嬢様系」のように年齢非連想の言い換えに変えるのが安全策です。
義務的な表示(必ず書くべき項目)
ところで、禁止項目だけ見ていると「書けば書くほどリスク」と感じますよね。でも、義務的に書かなければならない項目もあるんです。HPに以下を明示してください。
- 事業者名(屋号・運営会社)
- 所在地
- 連絡先
- 届出番号(公安委員会届出済の表示)
- 料金(基本料金・指名料・交通費等の総額)
- キャンセルポリシー
- 個人情報保護方針
「届出番号の表示」は地味ですが、ポータルサイト掲載時の必須項目になることが多いんです。届出番号がHPに記載されていないと、業界ポータルから「掲載不可」と返ってきます。一文字入れるだけで集客チャネルが増える、と思ってください。
料金表示の注意点
特定商取引法・景品表示法の遵守:
- 総額表示(消費税込)
- 追加料金の明示
- 「初回限定◯◯円」の適用条件明記
- 表示と異なる料金請求は禁止
料金トラブルの大半は「総額表示の不徹底」と「追加料金の不明示」から発生するんです。表示価格1万円→実際の請求2万円、というケースで、お客様が消費生活センターに通報する事例があります。こうなると、警察にも情報共有が行き、業者指導の対象になることがあります。最初から総額・追加項目・支払方法を明示するのが、結果として一番ローコストです。
キャストの表示
- キャスト写真は本人同意必須
- 顔出しの可否は本人選択
- 年齢18歳以上を明示(18歳未満禁止)
- 未成年・学生風の演出は禁止
キャスト写真は同意書を取得する文化を最初から作るのが正解です。同意書がないまま掲載すると、退店後に「肖像権侵害」で揉めるケースがあります。同意書のフォーマットは行政書士でも用意できますので、開業時に整えておくのが安全ですよね。
SNS・第三者プラットフォームの利用
X(Twitter)・Instagram・TikTok等のSNSでの宣伝は各プラットフォーム規約も遵守。
- X:成人向けコンテンツの表示設定
- Instagram:成人向けは原則禁止
- TikTok:成人向けは原則禁止
- 違反は警告・アカウント停止のリスク
SNSは集客力が高い反面、プラットフォーム規約違反でアカウント凍結というリスクが大きいんですよ。Xのアカウントが凍結されると、フォロワーごと消えてしまいます。複数アカウント分散・成人向け表示設定の徹底・各社規約の定期チェック、この3点を運用ルールにしておくのがおすすめです。
HP規制の具体例(NG / OK 比較)
NG例
- 「○○プレイ完全対応」(具体行為の描写)
- 「学生服コス◯%OFF」(未成年連想)
- 「絶対イカせます」(過度扇情)
- 裸体写真・性器写真
OK例
- 「ご来店をお待ちしております」
- 「ホテル派遣・自宅派遣」
- 「料金:◯◯円〜」
- キャスト着衣写真(本人同意済)
NG・OKを並べてみると、「具体的な行為描写」と「未成年連想」と「過度な扇情表現」がNGゾーン、「曖昧で婉曲な表現」と「事務的な業務説明」がOKゾーンだと分かりますよね。ここの感覚は、最初は専門家に文章チェックしてもらうのが安全です。慣れてくると、ライター自身が判断できるようになりますよ。
都道府県条例の上乗せ規制
各都道府県の青少年保護条例で追加規制があります:
- 有害図書類似指定
- 未成年者の閲覧制限(年齢確認ゲートの設置)
- ターゲット広告の制限
条例の上乗せは都道府県差が大きいんです。東京都の青少年保護条例と、地方都市の同条例では、年齢確認ゲートの仕様まで違うことがあります。「東京で動いていたHPがそのまま地方でも動く」とは限らないんですよ。事業を多拠点展開する場合は、各地の条例を一覧化しておくのが安全策です。
違反時のリスク
| 違反 | 処分 |
|---|---|
| 軽微な不適切表示 | 口頭指導 |
| 条例違反 | 過料・罰金 |
| わいせつ物頒布 | 刑事処分 |
| 児童ポルノ法違反 | 厳しい刑事処分 |
| 営業停止 | 悪質・繰り返し時 |
口頭指導の段階で改善すれば、ほとんどのケースは大事になりません。怖いのは、口頭指導を無視して同じ表現を続けるケースなんです。「言われたから直す」のではなく、「言われる前にチェックする」運用にしておくと、長期的に営業を続けられますよ。
第三者の広告ポータル(業界専門サイト)
性風俗関連の広告ポータルサイト(業界専門サイト)への掲載も、自社HPと同じ広告規制が適用されます。ポータル運営者は届出受理状況を確認するのが一般的なんです。届出番号・所在地・連絡先がHPに明記されていないと、ポータル掲載を断られることがあります。
ところで、ポータルサイト経由の集客は、地域・業態によっては自社HPより多いケースがあるんですよ。掲載審査を通すために、HPと別にポータル用のテキスト原稿を整えておくのが現場の運用です。ポータルごとに「使えるNGワード」「使えるOKワード」のフィルターが違うので、汎用テンプレを1つ用意しておくと運用がラクになります。
差戻し・指導の現場事例
最後に、HP規制で実際に発生した指導事例を共有しますね。
- ケース1:トップ画像にキャストの肩・腰が露出しすぎている写真を掲載し、口頭指導
- ケース2:料金プラン「90分1.5万円」の下に「指名料・交通費別途」を小さく表示し、特商法の総額表示違反で改善指導
- ケース3:「学生風コス」カテゴリを設けて未成年連想で条例違反、即削除指導
- ケース4:届出番号未記載で業界ポータルから掲載拒否
- ケース5:キャスト写真の顔出しを本人同意なしで掲載し、退店後に肖像権トラブル
どれも、HP公開前に第三者がチェックしていれば防げた事例です。社内に法務担当がいなくても、行政書士・弁護士に1回原稿レビューを依頼するだけで、これらの大半は防げます。
よくあるご質問(FAQ)
- Q1. HPに18禁ゲートを設置すれば自由に表現できますか?
- ゲート設置は条例遵守の一部。風適法・刑法(わいせつ物頒布罪)の規制は引き続き適用。
- Q2. キャストの写真は無修正でもOKですか?
- 着衣写真ならOK。裸体写真・性器写真は刑法違反。
- Q3. レビューサイトに口コミを投稿してもらってもよい?
- 客の自発的口コミは問題なし。店舗が依頼する「やらせ口コミ」は景品表示法違反の可能性。
- Q4. 料金の例外で「気に入った場合のチップ」を案内してよい?
- 明示的な追加料金として表示します。実質的な強制であれば不当料金請求の問題。
- Q5. キャストプロフィールに年齢を25歳と表示。実年齢が30歳の場合は?
- 景品表示法の「優良誤認」違反のおそれ。実年齢表示が安全。
- Q6. HP上のキャスト数を実態より多く表示するのは?
- 誇大広告(景品表示法違反)の可能性。実数または「在籍中」等の曖昧表示が無難。
- Q7. メルマガ・LINE配信は届出範囲ですか?
- 広告である以上、HP・SNSと同じ広告規制が適用されます。LINE公式アカウントの場合、LINE規約での性風俗禁止条項にも注意が必要です。
- Q8. ポータルサイト掲載でNG表現が出てしまった場合は?
- ポータル運営者から修正依頼が来ることが多い目安です。指摘を放置するとアカウント停止リスクがあるため、24時間以内の修正対応をルール化しておくと安全です。
- Q9. 競合店が明らかにNG表現を使っているのに営業できているのはなぜですか?
- 警察の指導は通報・巡回ベースで動くことが多いため、見逃されている可能性があります。違反が放置されているから自分も書いてよい、ということにはなりません。
- Q10. アフィリエイト広告(他社が自社サービスを紹介)の表現責任は?
- アフィリエイターの表現でも、依頼元として責任を問われることがあります。提携時に表現ガイドラインを共有しておくのが安全策です。
まとめ・お問い合わせ
本記事の内容は実務上の一般的な留意点を整理した目安です。実際の物件・業態・営業所所在地(管轄警察署)によって判断が変わる部分が多くあります。不安な点・判断に迷う点は、物件契約前・HP公開前にお問い合わせください。事前確認で指導リスクを大きく下げられます。HPは集客の入り口であると同時に、警察が見る最初の窓口でもあるんですよ。
