業種カテゴリ|性風俗関連特殊営業
店舗型性風俗特殊営業の
地位承継を、
行政書士が実務目線で解説します。
店舗型性風俗特殊営業(ファッションヘルス・店舗型エステ・ストリップ劇場等)を譲り受ける、相続する、合併する場合は、地位承継の手続きが必要です。
性風俗関連特殊営業は届出制ですが、地位承継も届出で対応。新規届出と異なり、立地・構造の再審査がない分シンプルです。
この記事では、地位承継の手続き・必要書類・差戻し回避ポイントを実務目線で解説します。
こんな方のための記事です
- 店舗型性風俗特殊営業を親族から相続する方
- 他社の店舗型性風俗特殊営業を譲り受ける方
- M&A・株式譲渡で経営権を取得する方
- 合併・分割で新法人が運営する方
- 現在の営業者が高齢・病気で承継を検討中の方
- 地位承継と新規届出の違いを整理したい方
店舗型性風俗特殊営業の地位承継とは?
店舗型性風俗特殊営業の地位承継は、営業者の地位(届出)を新営業者に引き継ぐ手続き。風適法第31条に基づき届出制で対応します。
新規届出との違い:(1)立地(200m距離規制)の再審査なし。(2)構造設備の再審査なし。(3)新営業者の欠格事由非該当の確認のみ。(4)処理期間が短い(10〜20日程度)。(5)手数料が安い(3,400〜9,500円程度)。
注意点:地位承継は『営業者の地位を引き継ぐ』もので、立地違反・構造違反等の問題は前営業者から引き継がれます。前営業者の運営に違反があれば、新営業者がそれも引き継ぐ形になります。
地位承継は新規届出より楽ですが、前営業者の運営状況を事前に確認することが重要。違反のある店舗を承継すると、新営業者が違反処理を負担することになります。
地位承継の3パターンと必要書類
地位承継の原因は3パターン:
| パターン | 承継原因の証明書類 |
|---|---|
| 譲渡 | 譲渡契約書、譲渡承認議事録、株式譲渡契約書 |
| 相続 | 死亡届写し、戸籍謄本、相続人全員同意書、遺言書 |
| 合併・分割 | 合併契約書、登記事項証明書、株主総会議事録 |
これに加えて新営業者の欠格事由非該当書類(住民票・身分証明書・登記されていないことの証明書・誓約書)が必要。3ヶ月以内のものを取得します。
管理者書類(管理者交代の場合)も新営業者と同様の構成で提出します。
地位承継申請の流れ
地位承継申請の流れ:
- 承継事由発生(譲渡・相続・合併)
- 新営業者の欠格事由非該当を内部確認
- 3ヶ月期限書類取得(住民票・身分証明書・登記されていないことの証明書)
- 承継原因証明書類取得(譲渡契約書・戸籍謄本等)
- 承継承認申請書(別記様式第48号)作成
- 所轄警察署生活安全課保安係に申請書類一式提出
- 手数料納付(3,400〜9,500円程度)
- 現地確認(必要に応じて)
- 承認証受領・営業継続
申請から承認まで10〜20日程度。承継申請中も前営業者の届出で営業継続できる利点があります(譲渡前後で営業を止める必要なし)。
新営業者の欠格事由チェック
新営業者の欠格事由は風適法第4条が適用:
性風俗関連特殊営業は欠格事由の該当者が多い業界と言われます。新営業者の経歴を事前に確認し、欠格事由がないことをチェック。本人にも自己申告してもらうのが鉄則です。
法人承継の場合は役員全員が欠格事由非該当である必要があります。役員1人でも該当者がいれば承継不可。
- 破産手続開始決定を受けて復権を得ていない
- 禁錮以上の刑(執行猶予含む)から5年未満
- 風適法・売春防止法・覚醒剤取締法等の特定法令違反による罰金以上の刑から5年未満
- 1年以上の懲役・禁錮刑の執行猶予期間中
- 暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年未満
- 心身の故障により業務を適正に行うことができない者
- 未成年者(成年被後見人・被保佐人)
地位承継で起きやすいトラブルと対応
現場で発生するトラブル:
承継前の現状確認が最も重要。前営業者の運営に違反があれば、新営業者が違反処理を負担する形になります。譲渡契約書に『現状の運営に違反がない』旨の表明保証条項を盛り込むのが安全です。
当事務所では譲渡契約段階からのサポートも対応可能。承継前のデューデリジェンスから届出までワンストップで支援します。
- 60日期限超過:承継事由発生から60日超で届出 → 速やかに行政書士相談
- 承継原因証明不備:契約書記載漏れ → 専門家チェック依頼
- 欠格事由該当:新役員に刑歴等 → 役員交代後に再申請
- 前営業者の違反引き継ぎ:立地違反・運営違反 → 承継前の現状確認必須
- 管理者書類不備:管理者交代の場合 → 申請前に行政書士チェック
よくあるご質問(店舗型性風俗特殊営業の地位承継)
地位承継と新規届出はどちらが楽?
地位承継のほうが楽。立地・構造の再審査がなく、処理期間も短い(10〜20日)。手数料も安い(3,400〜9,500円)です。
承継期限はいつまで?
承継事由発生(譲渡・相続・合併)から60日以内です。期限を過ぎると無届出として指導の対象になります。
新営業者の欠格事由は?
風適法第4条で破産未復権・刑歴・暴力団員等。1人でも該当者がいれば承継不可。法人なら役員全員が非該当である必要があります。
営業を止めずに承継できる?
可能。承継申請中も前営業者の届出で営業継続できます。承認後すぐ新営業者の届出に切り替わります。
前営業者の違反は引き継がれる?
引き継がれます。立地違反・運営違反等は新営業者が処理を負担。承継前のデューデリジェンスが極めて重要です。
管理者交代がある場合は?
管理者書類(住民票・身分証明書・登記されていないことの証明書・選任承諾書・写真)を新管理者で揃えます。
M&Aの株式譲渡でも地位承継が必要?
法人形態を維持する株式譲渡なら役員変更届のみで足り、地位承継は不要なことがあります。営業者(法人)が変わらないため。
