行政書士・経済産業省認定 経営革新等認定支援機関/全国オンライン対応

業種カテゴリ|風俗営業1号(接待飲食)

ホストクラブ開業で押さえる
構造設備の3要件

「内装ほぼ完成しました。来週オープン予定です」――そう連絡をいただいてから現地に伺うと、客室の仕切りが基準を満たしていない、ということが本当にあるんですよ。ですよね、誰しも「完成してから言われても困る」と思います。
ホストクラブ開業の現場で最も多い失敗が、この「内装工事が終わってから許可できませんと言われる」パターンなんです。お金的にもメンタル的にも、これがいちばんしんどい。今日は客室面積・見通し・照度の3要件を、施工前に押さえるべき順番でお話しします。

無料でお問い合わせする

こんな方のための記事です

  • これからホストクラブ・キャバクラ・スナックの内装工事を始める方
  • VIPルームやステージを設けたいが、許可が通るか不安な方
  • 施工後に「構造が基準を満たしていない」と言われてやり直した経験がある方
  • 設計事務所に任せっきりで、警察署の基準が反映されているか分からない方

「内装工事が終わってから指摘される」ことの怖さ

ホストクラブの開業準備で、現場で一番多い失敗がこれです。

内装工事が終わった後、警察署に書類を持って行ったら「この構造では許可できません」と言われる。
そこから内装のやり直し。費用は数十万〜数百万。開業日は2〜3ヶ月後退。

なぜこんなことが起きるかというと、保健所(飲食店営業許可)と警察署(風俗営業許可)の基準が全然違うからです。
保健所は衛生管理の観点から「厨房と客席をしっかり区画しろ」と言います。
ところが警察署は「客室内に高さ1mを超える障壁を設けるな」と言う。

どちらか一方しか確認せずに工事を進めると、もう片方でNGが出る。
これが「内装やり直し」の正体です。

こうした事故を防ぐために、今回はホストクラブの構造設備3要件と、工事前に確認すべきことを整理します。

3つの要件、全部満たさないと許可は下りません

風適法と許可基準規則が定める構造設備の要件は、主に以下の3点です。
「だいたい満たしている」では許可になりません。全部クリアが前提です。

① 客室面積:1室あたり16.5㎡以上(和室除く)

客室が1室なら和室を除いて16.5㎡以上。複数の客室を設ける場合は、各室が全部16.5㎡以上を満たす必要があります。

ここで多いのがVIPルームの問題です。
「VIPルームは別料金だから別の扱いで大丈夫」と思っている方が多いんですが、客室として使う区画は例外なく16.5㎡以上が必要です。
6〜10㎡のVIPブースを2〜3つ並べる設計は、申請の段階で「全部撤去してください」と指導されるケースが頻発しています。

② 見通し:高さ1mを超える障壁は置いてはいけない

客室内に高さ1mを超える壁・パーテーション・ついたてを設けると、見通しを妨げる構造とみなされます。
ホストクラブでよく使われる半個室風のソファ配置、背の高い観葉植物、装飾パネルが、現地調査でNGになるのもここが原因です。

ポイントは「図面ではOKに見えても、実際に設置した状態で1mを超えていればアウト」ということ。
施工後に「これ動かしてください」と言われると、内装の費用がそのまま消えます。

設計の段階での注意点:

  • ソファの背もたれは床から1m以下に統一する
  • 観葉植物・装飾は移動できる「家具」扱いにして、固定設置にしない
  • 柱・梁の死角は許容されることが多いが、人工的に視界を遮る障壁は追加しない

③ 照度:客席のテーブル面で5ルクス以上

1号許可の客席は、テーブル面で5ルクス以上の明るさが必要です。
5ルクス以下にすると、それは2号(低照度飲食)の領域になります。

演出照明(ミラーボール・スポットライト)を多用したい場合に問題が出やすいです。
客席が暗くなりすぎていると指摘されるパターンです。
演出照明はステージや通路に集中させて、客席の基本照明は常時5ルクス以上を確保する設計にしてください。

照度はテーブル面(床上70〜80cm程度)で測定します。「客室全体の平均で5ルクス」は要件をクリアしません。

3要件まとめ

下の表が3要件のまとめなんですが、表だけ眺めても「ふーん」で終わってしまうので、実務でつまずく箇所と一緒に並べてみました。「よくある違反例」、本当に現場でよく起きるパターンです。

要件基準よくある違反例
客室面積1室16.5㎡以上(和室除く)VIPルームを8〜12㎡で設けてしまう
見通し高さ1m超の障壁不可1.5mのパーテーションでテーブル間を仕切る
照度テーブル面で5ルクス以上演出照明中心で客席が暗すぎる(→2号でやり直し)

申請者の方が間違いやすいのが照度で、「客室全体で見て平均的に明るければOKでしょう?」と考えてしまうケースが多いんです。違うんですよね。客席のテーブル面で測って5ルクス以上が要件。1テーブルでも下回ると、1号としては運用できません。1号で許可申請したのに、現地確認で2号の領域だと指摘されて再設計になった事例も実際にあるんですよ。

内装工事前に必ずやること

この3要件を全部クリアするための一番確実な方法は、工事着工前に保健所と警察署の両方へ事前相談に行くことです。

面倒に思えますが、この1〜2日の手間が、内装工事後の「やり直し」を防ぎます。
両方の窓口に図面を持って行って「これで両方の基準をクリアできますか」を確認してください。

どちらか一方しか確認しないと、もう片方の基準が漏れます。
保健所でOKをもらっても、警察署でNGが出るケースは実際にあります。

よくある読み違いを先回りで整理します

開業準備をされている方から、よく受ける質問をまとめます。

「VIPルームは別料金だから客室扱いにならないんじゃないですか?」
客室として使う区画は全部16.5㎡以上が必要です。別料金かどうかは関係ありません。
「天井が高ければ、壁が1.5mでも見通しは確保されませんか?」
基準は高さ1mです。天井高による例外はありません。
「照度5ルクスは客室全体の平均で良いと聞きましたが」
客席のテーブル面で測定して5ルクス以上が必要です。平均値ではありません。
「ステージを設けたいんですが、高さはどこまで大丈夫ですか?」
ステージ自体は1mを超えると「見通しを妨げる障壁」とみなされる可能性があります。安全圏は40cm以下です。
「既存の飲食店をホストクラブに業態変更したいんですが、構造変更は必要ですか?」
ほぼ確実に必要です。一般飲食店の設計は1号許可の基準を満たしていないことが多いです。

物件契約前に一度確認してください

構造設備の問題は、物件を確定して内装工事を始めてからでは対応が遅くなります。
「この物件で3要件を満たした設計ができるか」は、契約前に確認しておくべき内容です。

不安な点があれば、物件契約前にご相談ください。30分・無料で対応します。

よくあるご質問(構造設備の3要件)

ステージは何cmまで設置できますか?

1mを超えると見通しを妨げる障壁とみなされることがあるため、40cm以下が安全圏です。階段・スロープを含めた構造設計で、客室見通しを妨げないことを図面で示してください。ステージ周りに高い装飾を置くと、それ自体が障壁と判断されることもあるので注意です。

客室を仕切るアコーディオンカーテンは使えますか?

営業中に1m超の高さで仕切る運用が可能な構造は、原則として認められないことが多いです。客室境界の壁としても、現場で開閉可能な構造は不適とされやすいですね。事前に管轄警察署で図面確認することをお勧めします。

照度の測定方法は決まりがありますか?

客席のテーブル面(床上70〜80cm程度)で測定するのが一般的です。詳細は管轄警察署の指示に従ってください。一般的な照度計を1台用意して、ご自身でも事前に各テーブルで測っておくと安心ですよ。

延床面積100㎡で客室を3室設けたいです。可能ですか?

16.5㎡×3室=49.5㎡以上を客室として確保できれば可能ですが、通路・カウンター・トイレ・厨房の面積を引いて成立するかは図面で確認が必要です。狭小物件で複数客室に分けると、結局どの客室も16.5㎡を満たさないことが多いので、1室にまとめる方が現実的なケースもあります。

DJブース・ミラーボールの設置は問題ないですか?

演出設備としての設置は問題ありませんが、客席部分の照度が5ルクスを下回らないよう注意してください。演出効果を優先しすぎて常時暗くしてしまうと、1号許可の領域ではなくなることがあります。

構造設計の段階で行政書士に相談すべきですか?

強くお勧めします。施工後に「許可基準を満たしていない」と判明すると、内装やり直しの費用が発生します。図面段階で警察署の事前相談を通すのが、いちばん安全で安いんですよ。

既存の飲食店をホストクラブに業態変更する場合、構造変更は必要ですか?

ほぼ確実に必要です。一般飲食店の構造はそのままでは1号許可基準を満たさないことが多く、客室面積・見通し・照度を再確認しないといけません。設計図面の段階から見直すケースが多いですね。

関連記事

まずは、お気軽にお問い合わせください。

お気軽にお問い合わせください。