業種カテゴリ|風俗営業4号(パチンコ・麻雀)
パチンコ店の地位承継
必要書類と注意点を、
行政書士が実務目線で解説します。
パチンコ店を譲り受ける、相続する、合併する――こうした営業者交代では『地位承継』の手続きが必要です。
新規許可申請(24,000円・標準処理55日)と違って、地位承継は届出制で比較的シンプル。ただし承継原因の証明書類と新営業者の欠格事由非該当書類が必須で、一つでも不備があると差戻しになります。
この記事では、地位承継の必要書類・申請の流れ・差戻し回避ポイントを実務目線で解説します。
こんな方のための記事です
- パチンコ店を親族から相続する方
- 他社のパチンコ店を譲り受ける方
- M&A・株式譲渡でパチンコ店経営権を取得する方
- 合併・分割で新法人がパチンコ店を運営する方
- 現在の営業者が高齢・病気で承継を検討中の方
- 地位承継の手続きを行政書士に依頼するか判断したい方
地位承継とは何?新規許可申請との違い
地位承継は風適法第7条の2に基づき、許可営業者の地位(許可そのもの)を新営業者に引き継ぐ手続き。新規許可申請とは別の制度で、構造設備・立地等は前営業者から引き継ぐため再審査されません。
新規許可申請との違い:(1)手数料が安い(地位承継は3,400〜9,500円程度、新規は24,000円)。(2)処理期間が短い(地位承継は10〜20日、新規は55日)。(3)構造・立地の再審査なし。(4)欠格事由非該当の確認だけで承継。
ただし新営業者の欠格事由は厳格にチェックされます。新営業者が破産未復権・刑歴・暴力団員等に該当すれば承継できません。
| 項目 | 地位承継 | 新規許可申請 |
|---|---|---|
| 性質 | 届出 | 許可 |
| 手数料 | 3,400〜9,500円 | 24,000円 |
| 標準処理 | 10〜20日 | 55日 |
| 構造設備審査 | なし | あり |
| 立地審査 | なし | あり |
| 欠格事由 | 新営業者を審査 | 申請者を審査 |
地位承継の3パターンと必要書類
地位承継の原因は3パターンあります。それぞれ必要書類が異なります。
(1)譲渡(営業譲渡・株式譲渡含む):個人から個人への譲渡、または法人内の経営権移転。譲渡契約書・譲渡承認の議事録等が必要。(2)相続:個人営業者の死亡で相続人が承継。死亡届写し・相続人全員の同意書・戸籍謄本等が必要。(3)合併・分割:法人の合併または会社分割で新法人が承継。合併契約書・新会社の登記事項証明書等が必要。
| パターン | 承継原因の証明書類 |
|---|---|
| 譲渡 | 譲渡契約書、譲渡承認議事録、株式譲渡契約書 |
| 相続 | 死亡届写し、戸籍謄本、相続人全員同意書、遺言書 |
| 合併・分割 | 合併契約書、登記事項証明書、株主総会議事録 |
これに加えて新営業者の欠格事由非該当書類(住民票・身分証明書・登記されていないことの証明書・誓約書)が必要。3ヶ月以内のものを取得します。
管理者の引き継ぎがある場合は管理者書類も同様に提出。新規申請時と同じ書類構成です。
パチンコ店の地位承継申請はどう進める?標準的な流れ
地位承継の申請は承継事由発生から60日以内に届出するのが原則。期限を過ぎると無届出として指導の対象になります。
- 承継事由発生(譲渡・相続・合併)
- 新営業者の欠格事由非該当を内部確認
- 3ヶ月期限書類取得(住民票・身分証明書・登記されていないことの証明書)
- 承継原因証明書類取得(譲渡契約書・戸籍謄本等)
- 地位承継承認申請書(別記様式第6号)作成
- 所轄警察署生活安全課保安係に申請書類一式提出
- 手数料納付(3,400〜9,500円程度)
- 現地確認(必要に応じて)
- 承認証受領・営業継続
申請から承認まで10〜20日程度。新規申請より圧倒的に早く、その間も営業継続できる利点があります(譲渡前後で営業を止める必要なし)。
新営業者の欠格事由チェックは必須。確認すべき7項目
地位承継で最も重要なのが新営業者の欠格事由非該当。風適法第4条が適用され、次の項目に該当すると承継できません。
法人承継の場合は役員全員が欠格事由非該当である必要があります。役員1人でも該当者がいれば承継不可。
新営業者・新役員の経歴を事前に確認し、欠格事由がないことをチェック。本人にも自己申告してもらうのが鉄則です。
- 破産手続開始決定を受けて復権を得ていない
- 禁錮以上の刑(執行猶予含む)から5年未満
- 風適法・売春防止法・覚醒剤取締法等の特定法令違反による罰金以上の刑から5年未満
- 1年以上の懲役・禁錮刑の執行猶予期間中
- 暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年未満
- 心身の故障により業務を適正に行うことができない者
- 未成年者(成年被後見人・被保佐人)
地位承継で差戻しが起きる5パターンと回避策
現場で差戻しが頻発するパターン:
- 60日期限超過:承継事由発生から60日超で届出 → 速やかに行政書士相談
- 承継原因証明書類不備:譲渡契約書の記載漏れ → 専門家に契約書チェック依頼
- 欠格事由該当者発覚:新役員に刑歴等 → 役員交代後に再申請
- 3ヶ月期限書類期限切れ:取得から3ヶ月超 → 取得タイミング再調整
- 管理者書類未提出:管理者交代の場合の書類抜け → 申請前に行政書士チェック
地位承継は新規許可より楽ですが、書類不備で差戻されると標準10〜20日が1か月以上に延びます。事前準備が効率化のカギです。
よくあるご質問(パチンコ店の地位承継)
地位承継と新規許可申請はどちらが楽?
地位承継のほうが楽です。手数料も安く(3,400〜9,500円)、処理期間も短い(10〜20日)。構造・立地の再審査がないため、書類準備の負担も軽いです。
承継期限はいつまで?
承継事由発生(譲渡・相続・合併)から60日以内です。期限を過ぎると無届出として指導の対象になります。
相続の場合は誰が申請する?
相続人代表が申請します。相続人全員の同意書が必要なため、相続人複数の場合は事前に承継者を決めておきます。
新営業者の欠格事由は厳格にチェックされますか?
厳格です。新営業者・新役員全員が破産未復権・刑歴・暴力団員等に該当しないことを確認します。1人でも該当者がいれば承継不可。
営業を止めずに承継できますか?
可能です。承継申請中も前営業者の許可で営業継続できます。承認後すぐ新営業者の許可に切り替わります。
M&Aの株式譲渡でも地位承継が必要?
法人形態を維持する株式譲渡なら役員変更届のみで足り、地位承継は不要なことがあります。営業者(法人)が変わらないため。判断に迷う場合は行政書士に相談を。
地位承継の申請は行政書士に依頼すべき?
書類量と承継原因証明の正確性を考えると、依頼するのが効率的。当事務所では譲渡契約書チェックから届出までワンストップで対応可能です。
